「そうよん!あたしの調べでは、それをわかった上で、お友達も教師も学校側も『女の子』として扱ってるの!」
「家が金持ちも関係あるんじゃないんすか?」
「ひねくれた考えはおやめ、円城寺ちゃん!」
ゴン!
「いてぇ!?」
曲がった考えをする円城寺君にも、ゲンコツを落としてからモニカちゃんは言う。
「可愛いは正義なのよ!ジェラシーはあると思うけど、ますみちゃんは女子!」
「確かに・・・女の子でしたね・・・」
「やっぱり、お前は知らなかったのか、凛?」
「はい。わからなかったけど・・・」
瑞希お兄ちゃんの問いにうなずく。
あの見た目からして、異性の体だなんて思いもしなかったけど。
「気づくきっかけは・・・・気になることは、言ってました。」
「どんなことだ?」
「『差別されたくない』、『本当の自分を知ったら、みんな本性を出す』って・・・」
(そういうことだったのね・・・)
滅入る気持ちと苦しさで目を閉じる。
脳裏に浮かぶのは、泣きながら謝ってきたますみちゃんの姿。
「僕は、突然のことに、彼女を慰めることもできなかった。」
「凛・・・」
「動けなくて、落ちてくる写真さえ、一緒に拾ってあげられなかった。」
思い返し、弱い立場の彼女に何もできなかった自分が恥ずかしくなる。
「それどころか、頭が真っ白になって・・・・気づけばここに、瑞希お兄ちゃん達にお持ち帰りされていて・・・」
「都合の良いことだぜ!」
「円城寺君?」
「テメー瑞希先輩に迷惑かけた記憶がねぇかよ?」
「迷惑!?やっぱり僕は、瑞希お兄ちゃんに・・・」
「やめろ、円城寺!」
ニラんでくる円城寺君を、瑞希お兄ちゃんが制する。
「俺は迷惑だとは思ってない。勝手なこと言ってんじゃねぇー」
「だけど真田先輩!」
「お前が俺を気にして言ってるのは、よくわかってる。ありがとな?」
「そ、そんな!瑞希先輩がそういうなら・・・」
ありがとうの一言で、円城寺君は静かになる。
それをみて、つくづく円城寺君は瑞希お兄ちゃんに弱いと思う。
〔★凛も同じだ★〕


