「凛ちゃん・・・・このあたしに何の抵抗もなく、なついてくれてるのよ?そして、ますみちゃんにも優しかった・・・仮に死んじゃっても、あたしが犯人として、身代わりになってもいいもん。」
「モニカ先輩!?」
「それだけのことしたのよ。蛇の目の片淵セイヤは・・・・!」
鋭い言葉を聞いたおかげで思い出した。
モニカちゃんの言葉でなにがあったのかを。
「僕、片淵セイヤを殴ったんですね・・・」
「凛!?」
「凛さん!?」
「凛道お前――――――!?」
「気がついたのかよ!?」
目を開けたら、瑞希お兄ちゃんの顔が飛び込んできた。
「凛、大丈夫か!?正気に戻ってっか!?」
「はい・・・瑞希お兄ちゃんの一発が利きました。ありがとうございます・・・・」
自分の体勢から、視線の位置から、瑞希お兄ちゃんに膝枕されてるとわかる。
だけど、全然うれしくない。
「ますみちゃん・・・・『そのこと』を僕に言いたかったんですね・・・・」
彼女が、最後まで告白するべきか迷い続けたこと。
「『性別』が・・・・・・・男の子だって・・・・」
「正しくは『身体』よ、凛ちゃん。」
そう言って私の側に座り込むモニカちゃん。
「ますみちゃんはね、女の子なのに、男のことして生まれてきちゃった子なのよ。」
「性同一性、障害・・・・ですね?」
「知ってるなら、説明しなくてもいいわね?」
「金八先生のドラマでもやってたし、なんとなくだけでしたら・・・・」
自分の声がひどく情けなく聞こえる。
そんな私に続くように、小柄な男子が叫んだ。
「お前だけじゃねぇよ、凛道!俺らだって、全然わかんなかったぜ!?ますみちゃんが、あの可愛い子が、俺らと同じ男なんて・・・!」
「長谷部ちゃんのおバカ!女の子と言いなさい!」
「いた!?」
同じく情けない声を出す悠斗君に、モニカちゃんの拳が落ちる。
「ますみちゃんは、あくまで女の子なのよ!」
「そ、それはわかってますけど~」
「周りも、女子も何も言わなかったのが、悠斗は納得できてないんですよ。」
「秀!」
「あずちゃん!」
「いくらなんでも、知る権利がこっちにもあるんじゃないすかね?いくら、俺らはますみちゃんの眼中にないとしても。」
「そりゃ言えてるな・・・おまけに現場は、凛道狙いの女子がほとんどだった。醜い女の争いで、足の引っ張り合いで、バラしてもよさそうだったからな?」
「ばかねぇ~円城寺ちゃん!桃山女学院では、暗黙のルールとして公認してるのよ。」
「公認っ!?」
円城寺君の疑問に、あっさりと答えるモニカちゃん。


