彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「凛ちゃん・・・・このあたしに何の抵抗もなく、なついてくれてるのよ?そして、ますみちゃんにも優しかった・・・仮に死んじゃっても、あたしが犯人として、身代わりになってもいいもん。」

「モニカ先輩!?」

「それだけのことしたのよ。蛇の目の片淵セイヤは・・・・!」






鋭い言葉を聞いたおかげで思い出した。

モニカちゃんの言葉でなにがあったのかを。







「僕、片淵セイヤを殴ったんですね・・・」

「凛!?」

「凛さん!?」

「凛道お前――――――!?」

「気がついたのかよ!?」







目を開けたら、瑞希お兄ちゃんの顔が飛び込んできた。






「凛、大丈夫か!?正気に戻ってっか!?」

「はい・・・瑞希お兄ちゃんの一発が利きました。ありがとうございます・・・・」






自分の体勢から、視線の位置から、瑞希お兄ちゃんに膝枕されてるとわかる。

だけど、全然うれしくない。






「ますみちゃん・・・・『そのこと』を僕に言いたかったんですね・・・・」






彼女が、最後まで告白するべきか迷い続けたこと。






「『性別』が・・・・・・・男の子だって・・・・」

「正しくは『身体』よ、凛ちゃん。」






そう言って私の側に座り込むモニカちゃん。






「ますみちゃんはね、女の子なのに、男のことして生まれてきちゃった子なのよ。」

「性同一性、障害・・・・ですね?」

「知ってるなら、説明しなくてもいいわね?」

「金八先生のドラマでもやってたし、なんとなくだけでしたら・・・・」





自分の声がひどく情けなく聞こえる。

そんな私に続くように、小柄な男子が叫んだ。






「お前だけじゃねぇよ、凛道!俺らだって、全然わかんなかったぜ!?ますみちゃんが、あの可愛い子が、俺らと同じ男なんて・・・!」

「長谷部ちゃんのおバカ!女の子と言いなさい!」

「いた!?」





同じく情けない声を出す悠斗君に、モニカちゃんの拳が落ちる。






「ますみちゃんは、あくまで女の子なのよ!」

「そ、それはわかってますけど~」

「周りも、女子も何も言わなかったのが、悠斗は納得できてないんですよ。」

「秀!」

「あずちゃん!」

「いくらなんでも、知る権利がこっちにもあるんじゃないすかね?いくら、俺らはますみちゃんの眼中にないとしても。」

「そりゃ言えてるな・・・おまけに現場は、凛道狙いの女子がほとんどだった。醜い女の争いで、足の引っ張り合いで、バラしてもよさそうだったからな?」

「ばかねぇ~円城寺ちゃん!桃山女学院では、暗黙のルールとして公認してるのよ。」

「公認っ!?」






円城寺君の疑問に、あっさりと答えるモニカちゃん。