彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「だいじょーぶ♪この辺りはあたしのテリトリーよ!ヘマしないわ。」

「モニカさんの車、日本に5台しかないでしょう!?」

「凛ちゃんが見られなければいいのよ!みーちゃん、上手に演技してね!?気分が悪くなって眠ってる子供を、介抱してる保護者のようにね!?」

「わかったから、安全運転しろよモニカ!」

「オッケー!それじゃあ、高千穂ちゃん!あとでね?」

「オス!凛を頼みます!」






そんなやり取りが頭に流れてきた。

聞き覚えのあるバイクの音がする。

車が発信する振動が伝わる。

それらを瑞希お兄ちゃんの膝の上で感じる。

瑞希お兄ちゃんは、私の頭を自分の膝に乗せていた。

膝枕をされているのだとわかった。

いつもなら嬉しいはずなのに――――――






(嬉しくない。)






「凛、わかるか?お兄ちゃんがわかるか?」

「モニカちゃんは~!?」

「わからない・・・・」






彼らの問いかけじゃなく、今の自分の状況が。






「わからない・・・わかりません・・・どうして、僕・・・・!?」





目元が熱くなる。




(私、泣いてるの?)




なんで?


どうして、鉄さびのにおいがするの?




(どうして、瑞希お兄ちゃん達が現れて・・・どうして・・・・?)





「・・・・・・ついたら起こす。眠れ。」






優しい声と一緒に、視界が暗くなる。

瑞希お兄ちゃんの掌が、私の視界を覆ったのがわかった。






「僕・・・・なにをして・・・?」

「・・・いいから眠るんだ・・・」






頭をなでられる感触。




つらい、悲しい、ひどい。




そう言った気がする。


なにがあったか、思い出すよりも先に睡魔が襲う。

瑞希お兄ちゃんのにおいが私に安心を与える。

遠くで響くサイレンの音を子守唄に、眠りの世界へと落ちた。