「そうだよっ!!ますみは正真正銘『男』だっ!!!」
「お、とこ・・・・?」
「やめてぇええええええええええええええええっ!!」
ゲラゲラ笑う声と、周囲から上がる好奇の声。
「え?オカマ?」
「あんなに可愛いのに~」
「気持ち悪!」
「見ろよ、このポーズ!」
「やめて!返して!やめて!」
「・・・・・・・・・うそ・・・・・・・・・・」
(ますみちゃん、男の子だったの?)
「れ、蓮君!」
ボー然としていたら、突然、ズボンを引っ張られる。
それで我に返る。
引っ張られた方を見れば―――――
「ますみちゃん・・・」
顔がぐちゃぐちゃになったますみちゃんが、私に縋り付いていた。
「違うの!だましてないの!だますつもりなんて・・・!ただ、言えなかっただけなの!」
「俺の時もそう言っただろう!?」
私とますみちゃんの会話を邪魔するように、ゲスい男の声が響き渡る。
「散々、貢がせておいて、実は男でしたとかありえないだろう!?」
「違う!黙っててよ!!」
「ああ!?それがだましてませんって言う女の態度かよ!?結局こいつは、女の振りして男を征服して、堂々と詐欺を働いてんだよ!それを許されるだけの金があるから誰も何も言わない!わからないんだよ!」
「やめて!蓮君、話を聞いて!!」
「そうやって、龍星軍の4代目もダマすんだろう!?女のできそこないが、女の振りしてダマしてんじゃねぇよっ!!」
「うっ・・・・あああああああああああああああああああ!!!」
泣き叫び、私に縋り付くますみちゃん。
「許して!誤解しないで、蓮君!言いそびれただけなの!蓮君お願い!ますみを嫌いにならないで!嫌いにならないでぇ!」
そう言った手が、私の胸を掴む。
這い上がり、マスクにふれる。
(あ、マスク・・・顔に―――――!!?)
「触るなっ!!」
気づけば、突き飛ばしていた。
「あ・・・・!?」
「・・・・れ、ん・・・君・・・・」
呆然としたますみちゃんが座り込む。
(しまった!私―――――――――――――!!)
「ますみちゃ・・・!」
「うっう!」
呼びかけるが、彼女は両手で顔をおおってから立ち上がる。
走り出す。
自分の全裸の写真を踏みつけて走り去る。
「・・・・・・・ますみ、ちゃん・・・・・・・」
「あはははははは!!いい気味だ、一之瀬ますみ!凛道蓮!!男同士、どこまでしたんだ!エロいことしてもらったんだろう!?」
下品な言葉と笑い声が、耳にこだまする。
そこまでが、私がハッキリ覚えている記憶だった。


