「蓮君のお兄さん、コーヒーショップで務めてるんだよね?」
「うん。将来はバリスタになるのが夢でねぇ~」
「ふーん、お兄さんの話になると嬉しそうだね?」
「え?」
「まっ!兄弟なら、恋敵になることないかな~」
「はい?」
「蓮君、今はあきらめるけど、この先どうなるかわからないよね?」
「え・・・?」
「『今のますみ』はダメでも、『将来のますみ』も恋人に出来ないとは・・・言いきれないよね?」
「ますみちゃん・・・あきらめたんじゃ・・・?」
「きゃはははは!女の子は、一途なんだよ~?本物の恋ほど・・・甘くみちゃダメよ?」
甘かったぁー!!
(ますみちゃん、私のこと諦めてない!?)
「私ね・・・蓮君に、蓮君になら、受け入れてもらえる気がするの・・・」
「え?」
「蓮君は、ますみを『差別しない』って、思うの!ねぇ、そうだよね?」
「『差別』って・・・ますみちゃん、なにを・・・?」
「戸籍のことだっ!!」
そんな声が辺りに響く。
「あははははは!戸籍のことだ、凛道っ!!」
「お前は!?」
声をたどって行けば、3階建の建物の屋上にそいつはいた。
「片淵セイヤ!?」
「な、なんであんたがー!?」
「ミミズの残党がなにしてる!?」
「蛇だボケ!ひゃはははっは!さっきの感動的な芝居、楽しませてもらったぜ!?」
「なっ!?あの場にいたの!?」
「よく叩きだされませんでしたね。場違いなのに。」
「大きなお世話だ凛道蓮!さすが龍星軍の4代目になった男・・・ますみを振ったあたり、危険には鋭いらしいな!?」
「ますみちゃん、さっきのコンビニに避難して。警察を呼んでもらうついでに、このお金でカサを買って下さい。」
「蓮君!?」
「カサだとぉ~!?」
「そうだよ。バカは高いところが好きというが・・・あそこでぶっ飛ばしたら、確実に血の雨が下に落ちるからね~」
「ははは!おもしれー来いよ!お前がここまで来るのと、俺がこいつをぶちまけるのとどっちが早い!?」
「はあ?なんですか?」
見せびらかすように、セイヤが手にしている束をかざす。


