「僕はね、ますみちゃんにとって、『きっかけ』でしかなかったんだよ。」
「きっかけ・・・?」
「ますみちゃんは男の子に対して、男女の付き合い方に対して、見直す時期だったんだよ。」
「じゃあ、ますみを普通の女の子にしてよ・・・!」
「それはできない。僕はますみちゃんを可愛くて良い子だって思うけど、恋人になりたいと思わない。」
それで彼女が傷つくのがわかったけど、悪いイメージのツッパリ君として言い切った。
「友達になりたいと思えても、彼氏彼女にはなれない。ますみちゃんの気持ちが本当だって伝わったから、いい加減なことはしたくない。ただでさえ、優柔不断な僕だから・・・・」
そこまで言って言葉を区切ると言った。
「友達として、付き合っていこう。それが僕からますみちゃんに出来る誠意です。」
「・・・ますみに恥かかせるの?ここまで言わせておいて、友達なの?」
「気に入らないなら、テーブルの上の紅茶なり、ケーキなり、僕にぶつけていい。自分でも、それぐらいされても仕方ないことを言ってるのはわかってますから。ただ、ますみちゃん相手に、ただれた関係は持ちたくありません。」
頬から手を離して立ち上がり、ますみちゃんの頭をなでながら告げる。
「ごめんな。こんな俺を、好きって言ってくれて。ありがとな、ますみ。」
「っ―――――――――――蓮君っ!!」
これにますみちゃんは、紅茶をぶっかけることも、マカロンやケーキで攻撃することもなかった。
私の胸に飛びつき、抱き付きながら言った。
「ばかばかばかばか!ますます惚れさせないでよぉ~・・・・!!」
泣きつきながら怒られた。
「・・・・・・・ごめんね。」
子供をあやすみたいに、肩を抱いたらしがみ付く力が強くなる。
泣く美少女に、それを抱きしめるなんちゃって男子の私。
パチパチパチ・・・・
これに対して、どこからともなく拍手が起こる。
「へ?」
気づいた時には、目頭を抑えたり、泣いたりしている他のお客さんやスタッフが、私達に向けて拍手していた。
〔★スタンドオペレーションだった★〕


