優しく、穏やかに、くだいて言い聞かせるように伝える。
それで、ますみちゃんの涙が止まる。
定まらない焦点のまま、彼女は私に言った。
「蓮君、ずるい・・・・!」
「ずるいですか?」
「ハッキリ言いすぎだよ!ダメとか無理とか、謝罪しながら告白断るとか・・・ひどくない?もう少し、ますみに気を遣おうとか思わないの?こんなに拒否られたのは初めてなんだけど?」
「その気がないのに、そういうふりして誤魔化す方がひどいんじゃないかな?」
「バイクだって、暴走族のくせに、無免許だから後ろに乗せないって矛盾してるでしょう?」
「ごめんね、変わり者で。」
「お店で買い物した時だってそうよ!みんな・・・ますみがお金出すってわかってるから、便乗して自分の物を者を買わせようとする。おそろいだって言って、ペアのアクセサリーを買おうって言うの。買ってくれる人はまだいいけど、買わせる奴はいつもそう!ますみが自分の物を買う時だって、選ぶのだって、ますみがどっちが良いって聞いても、両方似合うって言うんだよ。なんでかわかる?」
「え?似合うからじゃないんですか?」
「ますみなら、『両方買うお金』があるからそう言うんだよ。」
「そう言われたの!?」
「何番目かの男が、別れる時にね。別にいいけど・・・」
「よくないよ。例えそうだとしても、ますみちゃんは本当に可愛い。」
「蓮君・・・・」
「待ち合わせ場所で再会した時、本当にそう思ったよ。何を身につけても、どんな服でも着こなせてる。きっと、何番目かの男がそう言ったのは、ますみちゃんを現金だと思ってたんだよ。だから、傷つけてやろうと思って言ったんだよ。だから、そんな奴の言葉、いつまでも覚えていてはいけない。わかるね?」
「・・・・ますみね・・・・凛君は、買わせる立場の人だと思ってた。」
「は?」
「それなのに、なにか買ってとかねだってこなかった。」
「当たり前です!ますみちゃんが使ってるお金は、ますみちゃんのご両親が稼いで、ますみちゃんに与えてくれたものです。ますみちゃんが、困らないために使うならわかります。そうでなければ、ますみちゃんを産んでくれたご両親に対しても無礼ですよ。」
「・・・・だからなの・・・・!」
肩を震わせながら彼女は言った。


