「僕、結構ニブイ方だから・・・ますみちゃんの言葉の意味が、わからなくて・・・ますみちゃんを、ますみちゃん扱いしたっていうのは・・・?」
「汚くなかったもん。」
「は?」
(汚い??)
「ますみね、蓮君の前に付き合ってる彼氏がいたでしょう?」
「あれは犬にかまれたと思って忘れなさい。」
「わかってる。でもね、その前にも付き合った人がいたの。」
「ますみちゃん、モテそうだもんね?」
「モテるよ。ますみ可愛いし、中学時代も3年連続でミス桃山だったもん。」
「そういえば、ますみちゃんの学校、小学校からエスカレーター式だったね?」
「そうだよ。ますみのパパがお金持ってるし、何でもできるし、何でもできるようにしてきたの。バカにされて、恥かかされないために、差別にも負けないためにも・・・!」
「差別?」
「いつも決まってるのよ。ますみに近寄ってくる男の子って、ますみの外見しか見てないの。ますみの体目当てなの。ますみのお金しか見てないの。ミス桃山のますみが彼女だったら自慢できるから、ますみを好きだって言うの。そんなのばっかり。」
「それは・・・嫌な思いをしましたね。」
「そうだよ!だから、ますみだって同じことしたよ!それなら、ますみにも選ぶ権利あるじゃん!?芸能人の息子に、成金の倅、政治家のご子息!みんなが羨ましがる奴と付き合った!だってみんな、『外側』しか見てないもん!ますみを自慢する道具にしたなら、ますみも同じようにしても悪くないでしょう!?」
「ますみちゃん、それは間違ってるよ!ますみちゃんまで傷つくやり方だ!」
「仕方じゃないじゃない!みんな、本当のますみを知ったら、本性を出すのよ!?だからますみも、開き直れたよ。どうせ付き合うなら、クズじゃなくて、最高の男が良いじゃない。どんな分野でも一番だって言う肩書を持つ相手を選んできたのよ・・・!」
そう語る瞳は暗い。
どれだけ、嫌な思いをしてきたのかが伝わってくるようで・・・
「僕もですか?」
迷ったけど、ハッキリさせたくて聞いた。
「僕のことも、その理由で選んだの?」
「違う!」
彼女の瞳が私を映す。
必死の形相で、首を横にふりながら答えてくれた。


