彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「知ってほしくないこともあるって思わないの?」


誤魔化そう。


「え?」

「ますみちゃんは、自分が知って満足できればいいって思ってるんですか?逆に、好きな人だからこそ知られたくないって考える人がいること・・・わからないのかな?」







相手は女子力高くてやっかいだけど、これ以上好かれる前に何とかしよう。






「あ・・・・・・ち、違うよ!ますみは、ただ・・・」

「ますみちゃんを責めてるわけじゃないよ。僕のマスクはファッションだから。」

「嘘!顔を見られるのが嫌なんじゃないの?」

「金がないから、飲み物だけにしてるんだよ。」

「だったら、ストロー使わないで飲んでくれる?」

「なっ!?」






そう言うなり、私のグラスからストローを抜き取る。






「やめろっ!」






反射的に叫ぶ。






「やっぱりそうじゃない。」






きつく言えば、顔をしかめるミス・桃山女学院の美少女。






「隠さなくていいよ。誰にだって、ヒミツあるもんね。」

「ますみちゃん・・・」

「見せてくれるなら、返してあげてもいいよ?」

「すみませーん!新しいストローくださーい!」

「って、あっさり諦めないでよ!もっとますみに、かまってもいいんじゃない!?」

「じゃあ、お金を置いて、このまま引き上げてもいいですか?」

「それはもっとだめっ!返すから!ストロー返すから!あ、店員さん!新しいストローいりません!」






せっかく持ってきてくれたストローを断り、奪ったストローを返しながら言うますみちゃん。






「蓮君!パーツ的には可愛いんだから、絶対に口元のマスク取った方が良いよ!隠すことないと思う!」

「そういう予測は天気だけにして下さい。見た目の問題じゃない。」

「なんで?自分の顔が嫌いなの?」

「そうです。」







真顔で聞くますみちゃんに、無表情で、彼女の目を見ながら言った。






「僕はね、自分の顔が好きじゃない。この状態が一番好きなんだ。」

「蓮君。」

「僕はこの状態でいることに不自由していない。人に見せるほど、もったいぶってないし、見せたところで、見たところで何も変わらないんだよ?」





瞬きしないでそこまで言う。

演技する。