「こりゃあ、肺に入ったな?しっかりしろ。」
「ゲホゲホ!ず、ずみばぜ・・・・!」
「ああ、瑞希先輩、俺がしますからいいっすよ!」
背をさすりながら言う優しいみーちゃんと、長谷部ちゃんが羨ましくて引き離そうとするえんちゃん。
(やっぱり、長谷部ちゃんて、高千穂ちゃんのこと~・・・)
それであたしは、なんとなく確信する。
(それは、いろいろ苦しいでしょうね~長谷部ちゃん?)
「こんな時にきたねぇな、悠斗!」
肝心な女の子はこんなんだし。
「そりゃあ、ないぜカンナ。こいつがどんな気持ちでカンナと凛君を思ってるか、なぁ悠斗?」
「ゲホゲホ!うっせーよ、秀!余計なこというな!」
耳まで真っ赤になって言う長谷部ちゃんをよそに、凛ちゃんの方も慌ただしくなっていた。
「高千穂カンナが好きなんでしょう?」
「な、なに言ってんですか、ますみちゃん!?」
「その反応・・・・図星じゃない。」
「ええ!?いやいや、違いますよ!僕は~!!」
「隠さないで。」
オロオロしながら首を振れば、真顔で私を見るますみちゃん。
「凛君、高千穂さんって子と付き合ってるの?『鬼姫』って言われてる子だよね?あの子が彼女なんでしょう?」
「前半は違いますが、後半はそうです。・・・・そういうあだ名のお姫様ですよ。」
「正直に答えて!凛君、高千穂さんが好きなの?」
そう言うなり、身を乗り出して私の顔をのぞき込むますみちゃん。
「高千穂さんのこと、好きなの?嫌いなの?」
(えー?そういわれても・・・・)
「好きですよ。」
正直に即答してみる。
その言葉で、何故か室内が静かになる。
「ふーん・・・・ますみよりも、好きなの・・・!?」
張り詰める空気の中、ますみちゃんから笑顔が消える。


