「嬉しい、まなぶ!」
「お礼のしるしだよ。いつもありがとな、みほ?」
(お礼・・・?)
ふいに、恋人未満らしい2人の会話が耳に届く。
(そういえば私・・・・瑞希お兄ちゃんに、お礼の品物をあげていない。)
烈司さんにも、モニカちゃんにも、獅子島さんにも、百鬼にも。
(カンナさんにも・・・・)
「そうだ。」
ここはひとつ、今までのお礼も含め、お詫びとして、カンナさんに何かプレゼントしてみてはどうだろう?
(そうすれば、機嫌が直るかも!)
キョロキョロと辺りを見渡す。
ふと、ますみちゃんがほしいと言った指輪に目が止まる。
(私から瑞希お兄ちゃんに贈るのはダメかな・・・)
〔★いろいろダメになる★〕
このタイミングで、瑞希お兄ちゃんに贈り物をしては、媚びてると思われるかもしれない。
印象が悪くなるかも。
(でも、下見ぐらいはしてもいいよね・・・?)
指輪コーナー周辺に目をやっていて気づく。
(あ、これ安いな・・・。これも。)
安売りや値引き商品ではないが、定価で、私でも買えそうなものがあった。
(お礼をしなきゃいけない人は多いからな~・・・)
瑞希お兄ちゃんは、もちろんだけど、烈司さんに、モニカちゃん、獅子島さん、百鬼・・・
それ以外は~涼子ちゃんとか、伝言頼んじゃったしなー。
(でも一番は―――――)
―凛!―
(カンナさんだよねー・・・・)
そう思ったので。
「すみません。」
「はい。」
ますみちゃんと蘭さんがいるところとは別のレジ、男の店員さんに小声で言った。
「これ・・・プレゼント用に、こっそり包んでもらえませんか?」
「あ~はいはい♪かしこまりました♪」
お金を差し、商品を指させば、にっと笑った店員のお兄さんは素早く動いてくれた。
そして、ますみちゃんに呼ばれる前に私の買い物は終わった。


