ヤマトの家から帰宅し、夕食とお風呂を済ませてから、自室で勉強していた。
スタンドの明かりを頼りに、ノートと問題集をめくる。
いつもなら、集中して進められるのに、今夜はうまくいかない。
(勉強が手につかないなぁ・・・・・。)
涼子ちゃんに頼んで、カンナさんへの伝言を頼んだけど、返事は来ない。
凛道蓮の携帯をマナーモードにして待機しているが、メールも電話もこない。
(大丈夫・・・・あせりすぎよ、凛。涼子ちゃんの伝言を聞いて、連絡が来るとすれば明日じゃない?)
カンナさんはそれで納得できたけど。
(瑞希お兄ちゃんからも・・・・)
メールの返事が来ない。
(もう一度、瑞希お兄ちゃんにメールしよう。)
『合コンの件は誤解です、夜店の手伝いに行かせて下さい』、と。
一度は、来るなと返されたけど、やっぱり納得できない。
1回の合コンで、今までの信頼がなくなるのがひどすぎる。
(信頼を取り戻すためにも、なにか瑞希お兄ちゃんに、好印象を与えられるようなことは―――――・・・・!?)
「あ!?そういえば・・・・!」
そこまで考えて、思い出す。
(私、瑞希お兄ちゃんからもらったアイテム、チェックしてない!)
大事に、大事に、しまい込んでいた贈り物。
お店のお手伝いをした時に渡され、お風呂事件でドタバタし、お祭りで瑞希お兄ちゃんとの親密度を上げた。
いろいろありすぎて、確かめるのが遅れてしまった瑞希お兄ちゃんからのプレゼント。
迷った末に、菅原凛の自宅に持ち帰っていた。
(勉強にも集中できないし、休憩にして、中身を確認しよう!)
急いで机の引き出しからプレゼントを取り出す。
綺麗に整とんしていたプリントやノートの下に隠していた。
目の前に広げてあった教科書とノートを端に寄せ、座っている勉強机の上へと置いた。


