彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




ヤマトの家から帰宅し、夕食とお風呂を済ませてから、自室で勉強していた。

スタンドの明かりを頼りに、ノートと問題集をめくる。

いつもなら、集中して進められるのに、今夜はうまくいかない。





(勉強が手につかないなぁ・・・・・。)





涼子ちゃんに頼んで、カンナさんへの伝言を頼んだけど、返事は来ない。

凛道蓮の携帯をマナーモードにして待機しているが、メールも電話もこない。





(大丈夫・・・・あせりすぎよ、凛。涼子ちゃんの伝言を聞いて、連絡が来るとすれば明日じゃない?)





カンナさんはそれで納得できたけど。







(瑞希お兄ちゃんからも・・・・)







メールの返事が来ない。






(もう一度、瑞希お兄ちゃんにメールしよう。)






『合コンの件は誤解です、夜店の手伝いに行かせて下さい』、と。

一度は、来るなと返されたけど、やっぱり納得できない。

1回の合コンで、今までの信頼がなくなるのがひどすぎる。






(信頼を取り戻すためにも、なにか瑞希お兄ちゃんに、好印象を与えられるようなことは―――――・・・・!?)


「あ!?そういえば・・・・!」





そこまで考えて、思い出す。






(私、瑞希お兄ちゃんからもらったアイテム、チェックしてない!)






大事に、大事に、しまい込んでいた贈り物。



お店のお手伝いをした時に渡され、お風呂事件でドタバタし、お祭りで瑞希お兄ちゃんとの親密度を上げた。

いろいろありすぎて、確かめるのが遅れてしまった瑞希お兄ちゃんからのプレゼント。

迷った末に、菅原凛の自宅に持ち帰っていた。






(勉強にも集中できないし、休憩にして、中身を確認しよう!)






急いで机の引き出しからプレゼントを取り出す。

綺麗に整とんしていたプリントやノートの下に隠していた。

目の前に広げてあった教科書とノートを端に寄せ、座っている勉強机の上へと置いた。