「噂って・・・いい加減だね。凛君、そんな人じゃないってわかってたのに、私は・・・」
「あはははは~まだ他にも、ロクでもないでデマが流れてそうだねー」
「うん。ミス桃山女学院をものにしたら、ハーレム形式で他の桃山女子も彼女にしていくって。」
「本当に誰!?毎回毎回、デマを流す奴は!?」
「大丈夫だよ。私は、凛君のこと信じてるから。」
「涼子ちゃん!」
「だから・・・無茶しないでね?」
「涼子ちゃん。」
私を気遣うように、優しく微笑んでくれる普通の女の子。
心優しい友達のおかげで、元気が出てきた。
「もちろんだよ!涼子ちゃんのいいつけを守って良い子にしてるね?」
「え!?お、おおげさだよ・・・」
「本気だよ。好きな子の言うことは聞いて当然だもん。」
「えっ!?」
「それじゃあ、今度こそまたね、涼子ちゃん!今度改めてお礼するよ!」
「り、凛君!」
「バイバーイ!」
暑さで熱くなっているらしい、真っ赤な顔の彼女に手を振る。
そして、待っていたヤマトの元へと戻ると、その単車の後ろに乗った。
「出してください。」
「うはははは!」
了解という返事のように、単車を発進させた関西男子。
風邪を受けながらヤマトに伝えた。
「やっぱり、カンナさんはいなかったね。」
「うははは!」
「でも、涼子ちゃんに頼んだから、キッと伝えてくれるよ。」
「うははははは!」
「聞いてますか、ヤマト?」
「うーはっはっはっ!!」
私の問いに、大爆笑した後で言った。
「凛は、ホンマにひどいのぉー!」
「はあ?恋のキューピットのどこがひどいっていうんですか!?」
「今の子に対しても、カンナはんに対しても、そういうところがあかーんやで!?うははははは!」
「なにが・・・・・・・?」
「うはははは!!」
笑うばかりで答えないヤマト。
(意味がわからない・・・)
コールを鳴らし、スピードを上げていく姿に、そんなに明日のテストもヤバいのかと思った。
〔★天然は残酷である★〕


