彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「噂って・・・いい加減だね。凛君、そんな人じゃないってわかってたのに、私は・・・」

「あはははは~まだ他にも、ロクでもないでデマが流れてそうだねー」

「うん。ミス桃山女学院をものにしたら、ハーレム形式で他の桃山女子も彼女にしていくって。」

「本当に誰!?毎回毎回、デマを流す奴は!?」

「大丈夫だよ。私は、凛君のこと信じてるから。」

「涼子ちゃん!」

「だから・・・無茶しないでね?」

「涼子ちゃん。」





私を気遣うように、優しく微笑んでくれる普通の女の子。

心優しい友達のおかげで、元気が出てきた。




「もちろんだよ!涼子ちゃんのいいつけを守って良い子にしてるね?」

「え!?お、おおげさだよ・・・」

「本気だよ。好きな子の言うことは聞いて当然だもん。」

「えっ!?」

「それじゃあ、今度こそまたね、涼子ちゃん!今度改めてお礼するよ!」

「り、凛君!」


「バイバーイ!」





暑さで熱くなっているらしい、真っ赤な顔の彼女に手を振る。

そして、待っていたヤマトの元へと戻ると、その単車の後ろに乗った。





「出してください。」

「うはははは!」





了解という返事のように、単車を発進させた関西男子。

風邪を受けながらヤマトに伝えた。





「やっぱり、カンナさんはいなかったね。」

「うははは!」

「でも、涼子ちゃんに頼んだから、キッと伝えてくれるよ。」

「うははははは!」

「聞いてますか、ヤマト?」

「うーはっはっはっ!!」





私の問いに、大爆笑した後で言った。





「凛は、ホンマにひどいのぉー!」

「はあ?恋のキューピットのどこがひどいっていうんですか!?」

「今の子に対しても、カンナはんに対しても、そういうところがあかーんやで!?うははははは!」

「なにが・・・・・・・?」

「うはははは!!」





笑うばかりで答えないヤマト。





(意味がわからない・・・)






コールを鳴らし、スピードを上げていく姿に、そんなに明日のテストもヤバいのかと思った。



〔★天然は残酷である★〕