彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





「な、なに?どうしー!?」

「ミス桃山女学院高等部の子と、デートするって本当ですか?」

「なんでそれを知ってるんですか!?」

「みんな知ってますよっ!・・・・可愛い人なんですよね?」

「いや、そんな!てか、敬語はやめて下さい。」

「凛君だって敬語じゃない?」

「僕は最初からで、涼子ちゃんは途中からでしょう?壁を感じます。」

「付き合うの?」

「え?」

「言いたくないなら・・・いい、ですけど・・・」

「・・・敬語をやめてくれたら、答えますよ?興味あるの?」

「・・・・ある。」





そう答えた彼女の顔は、とても悲しそうだった。

不安そうで、まるで心配してるみたいに見える。




(いや、違う・・・・心配してくれているのね・・・)




そう理解できたから、出来るだけ優しい声と話し方で伝えた。





「心配しなくても、断るから大丈夫だよ?」

「!?・・・・本当に?」

「本当です。大丈夫ですよ。デートだけはしないといけなくて・・・今度の土曜日に、美浜の石畳通りに10時で待ち合わせてるんですが・・・。はぁー・・・・」

「あれ・・・?なんだか・・・乗り気じゃなさそうだね?」

「わかります!?そう!それが普通の反応なのに、誰もわかってくれなくて!」

「もしかして・・・キスできなかった代わりにデートするって噂は嘘なの・・・?」

「ホント、誰!?そのデマ流してるのは!?違いますよ!王様になったますみちゃんを元カレから助けた結果、キスはやめる代わりにデートしようということになったんです!」

「すごく複雑だね!?噂と違った意味で!?」

「涼子ちゃんだから真実を言いますが、僕は合コンなんか行きたくなかったんです。参加したのは、ますみちゃんの・・・あ、ミス桃山女学院の子の名前なんですが、彼女の友達に僕の友達が惚れてしまって~ほら、さっき、名刺を渡してきた奴です。」

「え!?あの人が・・・?」

「アプローチするにも、僕が合コンに参加しなきゃダメって条件で・・・その延長戦でデートになったんです。」

「そうだったんだね・・・」





ホッとしたように息を吐く涼子ちゃん。