「な、なに?どうしー!?」
「ミス桃山女学院高等部の子と、デートするって本当ですか?」
「なんでそれを知ってるんですか!?」
「みんな知ってますよっ!・・・・可愛い人なんですよね?」
「いや、そんな!てか、敬語はやめて下さい。」
「凛君だって敬語じゃない?」
「僕は最初からで、涼子ちゃんは途中からでしょう?壁を感じます。」
「付き合うの?」
「え?」
「言いたくないなら・・・いい、ですけど・・・」
「・・・敬語をやめてくれたら、答えますよ?興味あるの?」
「・・・・ある。」
そう答えた彼女の顔は、とても悲しそうだった。
不安そうで、まるで心配してるみたいに見える。
(いや、違う・・・・心配してくれているのね・・・)
そう理解できたから、出来るだけ優しい声と話し方で伝えた。
「心配しなくても、断るから大丈夫だよ?」
「!?・・・・本当に?」
「本当です。大丈夫ですよ。デートだけはしないといけなくて・・・今度の土曜日に、美浜の石畳通りに10時で待ち合わせてるんですが・・・。はぁー・・・・」
「あれ・・・?なんだか・・・乗り気じゃなさそうだね?」
「わかります!?そう!それが普通の反応なのに、誰もわかってくれなくて!」
「もしかして・・・キスできなかった代わりにデートするって噂は嘘なの・・・?」
「ホント、誰!?そのデマ流してるのは!?違いますよ!王様になったますみちゃんを元カレから助けた結果、キスはやめる代わりにデートしようということになったんです!」
「すごく複雑だね!?噂と違った意味で!?」
「涼子ちゃんだから真実を言いますが、僕は合コンなんか行きたくなかったんです。参加したのは、ますみちゃんの・・・あ、ミス桃山女学院の子の名前なんですが、彼女の友達に僕の友達が惚れてしまって~ほら、さっき、名刺を渡してきた奴です。」
「え!?あの人が・・・?」
「アプローチするにも、僕が合コンに参加しなきゃダメって条件で・・・その延長戦でデートになったんです。」
「そうだったんだね・・・」
ホッとしたように息を吐く涼子ちゃん。


