安心したところで、彼女に聞いてみた。
「ところで涼子ちゃん、カンナさん知らない?」
「高千穂さん?」
「うん、探してるんだ。」
同じクラスメートなら、その動きを知っているはず。
期待を込めて聞けば、少し困った顔で教えてくれた。
「高千穂さんなら、最後のテストが終わったらすぐに帰っちゃったよ?」
「え!?もう学校にはいない!?」
「うん。なんかね・・・円城寺君達の制止を振り切るみたいにして・・・教室から飛び出して行っちゃったの。」
「カンナさんが?」
「そうなの。あんな高千穂さん、初めてだったからびっくりして・・・凛君、なにかあったの?」
「え!?ど、どうして?」
「だって、今朝から高千穂さん、機嫌が悪くて・・・長谷部君が話しかけても無視してたから。」
「そんなに怒ってるんだ・・・」
「それに、凛君が探してるなら、それなりに何かあったんだと思ったから・・・・」
「・・・そうだね。」
理由を話したいような、話したくないような。
瑞希お兄ちゃんの反応からして、しゃべれば涼子ちゃんからも白い目で見られそうなので我慢する。
〔★迫害されるのが目に見えている★〕
だから黙っていたんだけど、そんな私に涼子ちゃんは優しく言った。
「凛君、喧嘩しちゃったなら、仲直りは早い方が良いよ。」
「涼子ちゃん。」
「凛君のことだから、誤解させちゃったから、されちゃったからだと思うから・・・話しあえば、きっと仲直りできるよ。」
「りょ、涼子ちゃん・・・!」
(なんて良い子なの、この子は!?)
〔★久しぶりの優しさだ★〕


