彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





安心したところで、彼女に聞いてみた。




「ところで涼子ちゃん、カンナさん知らない?」

「高千穂さん?」

「うん、探してるんだ。」




同じクラスメートなら、その動きを知っているはず。

期待を込めて聞けば、少し困った顔で教えてくれた。




「高千穂さんなら、最後のテストが終わったらすぐに帰っちゃったよ?」

「え!?もう学校にはいない!?」

「うん。なんかね・・・円城寺君達の制止を振り切るみたいにして・・・教室から飛び出して行っちゃったの。」

「カンナさんが?」

「そうなの。あんな高千穂さん、初めてだったからびっくりして・・・凛君、なにかあったの?」

「え!?ど、どうして?」

「だって、今朝から高千穂さん、機嫌が悪くて・・・長谷部君が話しかけても無視してたから。」

「そんなに怒ってるんだ・・・」

「それに、凛君が探してるなら、それなりに何かあったんだと思ったから・・・・」

「・・・そうだね。」



理由を話したいような、話したくないような。

瑞希お兄ちゃんの反応からして、しゃべれば涼子ちゃんからも白い目で見られそうなので我慢する。



〔★迫害されるのが目に見えている★〕



だから黙っていたんだけど、そんな私に涼子ちゃんは優しく言った。



「凛君、喧嘩しちゃったなら、仲直りは早い方が良いよ。」

「涼子ちゃん。」

「凛君のことだから、誤解させちゃったから、されちゃったからだと思うから・・・話しあえば、きっと仲直りできるよ。」

「りょ、涼子ちゃん・・・!」




(なんて良い子なの、この子は!?)




〔★久しぶりの優しさだ★〕