彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




のろける友達に頭痛を覚える。



「その様子だと、明日のテスト勉強もまだですね!?」

「うははは!ちゃんとするってぇ~!凛もおるやん!?」

「僕をあてにするな。悪いけど、放課後はつきあませんよ?ヤマトの助言に従い、帰りに東山高校に寄りますから。」

「うははは!なんや、そういうことなら、わしも付き合うわ!えんなんとか君らにも、彼女出来ました報告せんと!」

「勉強しなさいっての!」

「そうしたら、わしの家に直行して、勉強も見てもらえるや~ん!?着替えて出かけるんやし♪」

「ホントちゃっかりしてますね!?・・・・・・・・・・・いいですけど・・・」

「やったぁ~!うはははは!テストと彼女と、万々歳やねん!」

「やれやれ・・・・」



嬉しそうに踊るヤマトを見て思い出す。



「そういえば、彼らはうまくいったんですか?」

「うは?」





一緒に参加した、龍星軍男子の恋と出会いの行方。





「可児君は、モモちゃんて子にぞっこんでしたけど?」

「あかんかったんちゃうー?わし、なんも聞いてへんよぉ~」

「秀君と悠斗君、円城寺君も?」

「うはははは!秀君はともかく、他の2人はカンナはんの誤解解くのに必死やったでぇ~?特に悠斗君がのぉ~」

「へぇー疑われたのが、よっぽど嫌だったんでしょうね。だったら、ヤマトに彼女が出来た報告はやめた方が良いかもしれませんね。」

「ええー!?言ったらあかんのか!?」

「ますます、ややこしくなりますよ?」

「しゃーない!ほな、お楽しみは最後に取っとくか!」




ヤマトが納得したところで予鈴がなる。




「あかん!時間切れや!!ほな、放課後な!正門出てから、裏門に回りーや!例の女ボスらに怪しまれんように!」

「わかってますよ。じゃあ、放課後に・・・・」



人目を気にしながら、密会場所から離れた。

少し気になったが、気持ちを切り替える。

ギリギリで教室に入ってきた私を、クラスメートがくすくす笑いながら見る。

素早く、椅子の上にばらまかれていた消しゴムのカスを救って集めて、ゴミ箱に放り込む。

その途中で、足を引っかけて転ばされなかったのが今日1番のラッキー。

不愉快な空気の中、教師がやってきて、テストが始まった。