彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「どうした、大河~?いつもなら、凛のことボロクソに言う奴が・・・『やりすぎ』だぁ?優しいこと言うじゃねぇか・・・」




そう語るカンナさんの眼は、完全な先頭モード。

付き合いの短い私でさえも、話し合いは出来ないと思うほど、静かにキレていた。




「ば、馬鹿!誰が優しいだ!?俺は別に~」

「それとも、なにか?なんか、やましいことがあるから、凛に対して親切モードか・・・!?」

「な、ななななな、なに言ってやがる!?俺は別に~!」

「言ったよな~大河?たまには1人で単車ころがしたいから、あたしの誘いは受けらんねぇーって?」

「うぐっ!そ、それは~!」

「秀、ゲーセンの新台に行ってんじゃねぇのか?」

「あ・・・あははは・・・!」

「悠斗テメー・・・!あたしになんて言った?なにが、単車改造するのに専念したいだ・・・!?」

「ご、誤解だ、カンナ!?」

「そのなりで、それが言えんのかぁ?ずいぶん、めかしこんでるよなぁ~」

「うっ!?あああ、いや、これ、その・・・!」

「服だけじゃねぇ!チャラい香水までつけやがってよぉ~・・・!?」



両手を合わせて、ポキポキと鳴らしながら円城寺君との距離を縮めるカンナさん。

彼女の言葉に反論できず、後ろへと後退していくしかない男子一同。

男達へと迫るヤンキーガール。

追いつめられる仲間を、床でダウンした状態で見守るしかない私。

なんとかしようと思う私に代わり、声を上げたのは一番オシャレをしていた人だった。



「待ってくれ高千穂!確かに俺らは合コンに参加した!けど、やましい気持ちはなかった!」

「可児君!?」



私の側から素早く移動すると、円城寺君とカンナさんの間に割って入りながら言った。


「あん?なぁ~にが、やましい気持ちがないだ、よ?今さらいいわけかよ、可児?」


それを受け、肩目を吊り上げながらカンナさんが聞き返す。



「俺らを誤解するのは勝手だが、凛さんは無実だ!」

「可児君。」



そんなカンナさんに、私をかばってくれる可児君。