彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



ジリジリと私へと迫りながら、問いかけてくる瑞希お兄ちゃん。



「同窓会って言ったよな?」

「あ、その・・・」

「俺らに、同窓会だって言ったよな?大河達と同チューだったんか?ん?」

「そ、それは~」

「違うよなぁ~?どーゆーことなのかなぁ~?俺にうそついたんか、オメー・・・!?」

「ち、違うんです!僕は~!」

「何が違うのよ、凛ちゃん!?」

「モ、モニカちゃん!?」




弁解しようとした言葉は、オネェさんの甲高い声にかき消される。




「モニカちゃん、悲しい!これどう見ても、合コンじゃないの!あたしはなんのために、凛ちゃんを可愛くしたと思ってるの!?」

「ご、ごめんなさい、モニカちゃん!これには事情がありまして~」

「何が事情だぁ!?」



再び説明しようとしたら、ドスの利いた声が会話をさえぎる。



「凛テメェ~~!!どう言いわけしようってんだコラ!?」

「カンナさん!?」

「てめ~は、よりによって総長権限で全員に合コン参加を要請したってことか!?そりゃあ、女のあたしは抜きにされるわなぁー!?」



そう語る彼女は、額に青筋を受けべて怒っている。

みけんにしわが寄っている。

今まで見たことないぐらい怒ってる。





(これは誤解を解かないとヤバい!!)


「待ってください!聞いてください、カンナさん!」





本能でそう察し、必死で説得を試みるが――――





「違うんですよ!カンナさん達の思ってるようなことじゃなくて!これは誤解で―――――」

「ここは2階だボケ―――――――――」



私の説明が終わる前に、カンナさんの平手が右頬に当たる。



―――――――――――パァァァーン!!



「あう!?」



殴られ衝撃で、受け身が取れなくて宙を舞う。





グル――――――ン!



アイススケーターもびっくりの半回転。

その状態で、顔から床へと叩きつけられる私。






ズシャッーン!!



「痛ったー!?」


「凛さーん!?」

「うははは!夏なだけに、たまや~!な、ヒットやで!!」

「言ってる場合かよ!?しっかりしろ、凛君!」

「げ~カンナがマジギレした!?」

「お、おい、カンナ!ちょっとやりすぎじゃ~?」

「やりすぎだぁ?」



ダメージを受ける私を見て、円城寺君がつぶやいた一言。

それでカンナさんのまゆ毛がピクリと動く。

空気がさらに張り詰める。