ジリジリと私へと迫りながら、問いかけてくる瑞希お兄ちゃん。
「同窓会って言ったよな?」
「あ、その・・・」
「俺らに、同窓会だって言ったよな?大河達と同チューだったんか?ん?」
「そ、それは~」
「違うよなぁ~?どーゆーことなのかなぁ~?俺にうそついたんか、オメー・・・!?」
「ち、違うんです!僕は~!」
「何が違うのよ、凛ちゃん!?」
「モ、モニカちゃん!?」
弁解しようとした言葉は、オネェさんの甲高い声にかき消される。
「モニカちゃん、悲しい!これどう見ても、合コンじゃないの!あたしはなんのために、凛ちゃんを可愛くしたと思ってるの!?」
「ご、ごめんなさい、モニカちゃん!これには事情がありまして~」
「何が事情だぁ!?」
再び説明しようとしたら、ドスの利いた声が会話をさえぎる。
「凛テメェ~~!!どう言いわけしようってんだコラ!?」
「カンナさん!?」
「てめ~は、よりによって総長権限で全員に合コン参加を要請したってことか!?そりゃあ、女のあたしは抜きにされるわなぁー!?」
そう語る彼女は、額に青筋を受けべて怒っている。
みけんにしわが寄っている。
今まで見たことないぐらい怒ってる。
(これは誤解を解かないとヤバい!!)
「待ってください!聞いてください、カンナさん!」
本能でそう察し、必死で説得を試みるが――――
「違うんですよ!カンナさん達の思ってるようなことじゃなくて!これは誤解で―――――」
「ここは2階だボケ―――――――――」
私の説明が終わる前に、カンナさんの平手が右頬に当たる。
―――――――――――パァァァーン!!
「あう!?」
殴られ衝撃で、受け身が取れなくて宙を舞う。
グル――――――ン!
アイススケーターもびっくりの半回転。
その状態で、顔から床へと叩きつけられる私。
ズシャッーン!!
「痛ったー!?」
「凛さーん!?」
「うははは!夏なだけに、たまや~!な、ヒットやで!!」
「言ってる場合かよ!?しっかりしろ、凛君!」
「げ~カンナがマジギレした!?」
「お、おい、カンナ!ちょっとやりすぎじゃ~?」
「やりすぎだぁ?」
ダメージを受ける私を見て、円城寺君がつぶやいた一言。
それでカンナさんのまゆ毛がピクリと動く。
空気がさらに張り詰める。


