彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「これでよぉ~し♪キッチリしばって固定したから、1人でも逃げようとしても無駄よ~ん!」

「あ・・・朝ちゃん、ありがとう・・・。」

「いいのよ、シロ君!あとは、お店の男の子達のお仕事よ!きっちり事務室に半ドアで監禁するのよぉ~?」

「はい!」

「任せて下さい。」

「絶対逃がしません!」

「ち、ちくしょう・・・!」





まるで時代劇の役人みたいに、片淵セイヤ達を引っ立てる男性スタッフ。

悪人みたいに縛り上げられた片淵セイヤ達は、連なって連れていかれる姿をあわれに思う。

その後ろを、シロ君と呼ばれたチーフさんと女性スタッフ達が続く。





「ごめんな、瑞希君。巻き込んじゃって・・・」

「気にしなくていいっすよ。」

「その上で悪いんだけど・・・ますみちゃん達のお迎えが来るまで、彼女達を見ててもらっていいかな?連絡はこちらでするから。」

「任せて下さい。それよりも早く医者に。」

「ありがとう。ますみちゃんもごめんね?」

「ますみ達はいいよ!悪いのはますみで・・・白神さん、ごめんなさい・・・お大事に・・・」

「気にしないで、ありがとう。」

(良い人だな・・・)



自分も負傷しているのに、この気遣い。

接客業に向いてる色男だと思う。

部屋には、桃山女学院の生徒と龍星軍メンバーが残された。





「こいつらはこれでいいとして・・・凛」

「はい!」





低い声が私を呼ぶ。






「こりゃあ、どういうことだ?」


「え?」






そう言った目は、聞いていた話と違うじゃないかと言わんばかりだった。



「あ!?・・・あの・・・それは・・・!」





怒る瑞希お兄ちゃんも素敵だけど、そんなこと思ってる場合じゃない。

彼が何に怒っているのか、気づき、ヤバいと思う。