「あ、ありがとうごいます!それで許してもらえるんですね!?」
「誰がそんなこと言ったぁ!!?」
「ぐえっ!?」
明るい顔で言う片淵セイヤの横っ面を、問答無用でぶん殴った。
―――ゴキッ!
「あばあ!?」
「勘違いすんなよ~このミミズがっ・・・!?」
「ひっ・・・!」
涙目になった男の胸ぐらをつかむと、見惚れるぐらい怖い顔で瑞希お兄ちゃんは言った。
「鑑別所帰りの馬鹿に、桃山女学院の女子が絡まれて、警察沙汰になったなんて知れたら、ますみちゃん達が可愛そうだろう?」
「え!?それじゃあ、瑞希お兄ちゃん・・・ますみちゃん達を巻き込まれないようにするために・・・穏便な形を!?」
「シロ君、示談って言いましたけど、弁護士はこちらから派遣します。モニカ。」
「OK~あと30分でお店に来てくれるって♪内山さんって言うネイビー色のネクタイをした白髪のおじさんよ~!」
「弁護士って、瑞希君、それは~」
「費用はご心配なく。うちの愚弟がからんじまったんで、こちらで一切の費用を出します。そのことも一緒に電話で言っといてください。いいね、眼鏡君?」
「あ、ああ・・・は、はい!もちろんです!」
「つーことで、おおまかな流れはこんなもんすよ、シロ君。」
そう言って、スタッフに支えられているチーフを見る。
「第三者である俺が、決めて良いことじゃねぇ。あくまで提案すよ。どうしますか、白神さん?」
「・・・・・・本当に、瑞希君にはかなわないな。」
安心するような困った笑みで、負傷したチーフさんは言った。


