彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「あ、ありがとうごいます!それで許してもらえるんですね!?」

「誰がそんなこと言ったぁ!!?」

「ぐえっ!?」



明るい顔で言う片淵セイヤの横っ面を、問答無用でぶん殴った。



―――ゴキッ!



「あばあ!?」

「勘違いすんなよ~このミミズがっ・・・!?」

「ひっ・・・!」



涙目になった男の胸ぐらをつかむと、見惚れるぐらい怖い顔で瑞希お兄ちゃんは言った。



「鑑別所帰りの馬鹿に、桃山女学院の女子が絡まれて、警察沙汰になったなんて知れたら、ますみちゃん達が可愛そうだろう?」

「え!?それじゃあ、瑞希お兄ちゃん・・・ますみちゃん達を巻き込まれないようにするために・・・穏便な形を!?」

「シロ君、示談って言いましたけど、弁護士はこちらから派遣します。モニカ。」

「OK~あと30分でお店に来てくれるって♪内山さんって言うネイビー色のネクタイをした白髪のおじさんよ~!」

「弁護士って、瑞希君、それは~」

「費用はご心配なく。うちの愚弟がからんじまったんで、こちらで一切の費用を出します。そのことも一緒に電話で言っといてください。いいね、眼鏡君?」

「あ、ああ・・・は、はい!もちろんです!」

「つーことで、おおまかな流れはこんなもんすよ、シロ君。」



そう言って、スタッフに支えられているチーフを見る。



「第三者である俺が、決めて良いことじゃねぇ。あくまで提案すよ。どうしますか、白神さん?」

「・・・・・・本当に、瑞希君にはかなわないな。」



安心するような困った笑みで、負傷したチーフさんは言った。