「おい、口だけで謝ってどうすんだよ?」
「そ、そんなことないです!本当に心から~」
「よく言うぜ!しょんべんもらせとか、えげつねぇ命令形の暴言はいといて、『心から』だぁ~!?ありえねぇーだろう?」
「ひっ!?すいません!真田瑞希さん!」
「俺じゃなくて、白神さんに謝るんだろう!?」
そう言った瞬間、瑞希お兄ちゃんの腰が椅子から浮く。
バキ!
「ぎゃん!?」
気づけば、彼の足が片淵の頭を蹴り飛ばしていた。
「瑞希お兄ちゃん!?」
「いっ痛ぇ~!?」
「なにが痛ぇだ!?白神さんの方がよっぽど苦しんでただろうが!?わーてんのか!?」
「ひいいいい!」
「あ、いいです!大丈夫です!瑞希君!」
見かねた被害者が、瑞希お兄ちゃんを止めに入る。
「俺のことは大丈夫だよ、瑞希君。」
「白神さん。」
「だから、もうそれぐらいでい・・・!」
「よかねぇーよ、白神さん。素人判断で、大丈夫って判断しちゃいけねぇーよ。おい、ミミズ共!全員財布出しな!」
「え!?」
「な!?か、かつあげ・・・!?」
「ああ!?だれが、ちんけなタカリするって言った!?素直に出すのか、凹られて身ぐるみはがされるのとどっちがいい!?」
「ひいいい!出します!」
セイヤの一声で、他の仲間も財布を出す。
床に置かれた財布、それをゴミでも見る目で見ながら瑞希お兄ちゃんは言う。
「中身全部出しな。金券、クオカードもだ。」
「は、はい!」
「あと、身分証明書・・・マイナンバー、保険証でも、学生書でも、レンタル屋のカードでもいい。全部出せ。」
「へ!?そ、それはどうし・・・」
「出せ・・・!!」
「は、はい・・・・!」
瑞希お兄ちゃんの言葉に従い、ブランド物の財布からお札と小銭を出す。


