彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「おい、口だけで謝ってどうすんだよ?」

「そ、そんなことないです!本当に心から~」

「よく言うぜ!しょんべんもらせとか、えげつねぇ命令形の暴言はいといて、『心から』だぁ~!?ありえねぇーだろう?」

「ひっ!?すいません!真田瑞希さん!」

「俺じゃなくて、白神さんに謝るんだろう!?」




そう言った瞬間、瑞希お兄ちゃんの腰が椅子から浮く。




バキ!



「ぎゃん!?」






気づけば、彼の足が片淵の頭を蹴り飛ばしていた。




「瑞希お兄ちゃん!?」

「いっ痛ぇ~!?」

「なにが痛ぇだ!?白神さんの方がよっぽど苦しんでただろうが!?わーてんのか!?」

「ひいいいい!」

「あ、いいです!大丈夫です!瑞希君!」





見かねた被害者が、瑞希お兄ちゃんを止めに入る。



「俺のことは大丈夫だよ、瑞希君。」

「白神さん。」

「だから、もうそれぐらいでい・・・!」

「よかねぇーよ、白神さん。素人判断で、大丈夫って判断しちゃいけねぇーよ。おい、ミミズ共!全員財布出しな!」

「え!?」

「な!?か、かつあげ・・・!?」

「ああ!?だれが、ちんけなタカリするって言った!?素直に出すのか、凹られて身ぐるみはがされるのとどっちがいい!?」

「ひいいい!出します!」





セイヤの一声で、他の仲間も財布を出す。

床に置かれた財布、それをゴミでも見る目で見ながら瑞希お兄ちゃんは言う。





「中身全部出しな。金券、クオカードもだ。」

「は、はい!」

「あと、身分証明書・・・マイナンバー、保険証でも、学生書でも、レンタル屋のカードでもいい。全部出せ。」

「へ!?そ、それはどうし・・・」



「出せ・・・!!」


「は、はい・・・・!」






瑞希お兄ちゃんの言葉に従い、ブランド物の財布からお札と小銭を出す。