トキメキながら、ゾクゾクしていたら瑞希お兄ちゃんが言った。
「警察、呼ばなくていいんだよな?」
低くドスの利いた声が店内に響く。
瑞希お兄ちゃんは、片淵セイヤを見ながら言う。
「警察呼ばなくていいなら、なにがあっても文句はねぇなぁ・・・!?」
「ひっ!?勘弁してください!!」
瑞希お兄ちゃんの迫力に飲まれ、青い顔で謝る片淵セイヤ。
「ま、ますみが!ますみの新しい男が、真田さんの弟の凛さんだったって知らなかったんです!」
「知ってりゃ、ヘビの落書き見せなかったって?ヤバい相手じゃなきゃ、脅しのネタで見せてたってことだなよな?」
「す、すみません!すみません!!」
「オメーよ、うちの4代目と蛇塚共がもめたのを知らねぇわけじゃねぇだろう?鑑別入ってましたから~は、理由になんねぇぞ?」
「勘弁してください!!本当にすみませんでした!!」
そう言って、頭を下げてくる片淵セイヤ。
「すんません!すんません!!許してください!」
「お前、謝る相手が違うだろぉ!!?」
(きゃあ!?)
これに瑞希お兄ちゃんがキレる。
テーブルを叩きながら怒鳴った。
「わび入れるなら、白神さんだろーが!オメーが怪我させたこの店のチーフさんだろうっ!?」
吐き捨てるように言うと、クイッと顎で、うずくまっている店員さんの存在を伝える。
「そ、それで許してもらえるんで・・・!?」
「謝れって言ってんのが聞こえてねぇのか!?テメーら全員、同罪だぞ!?」
「「「「「す、すいません!!」」」」」
瑞希お兄ちゃんからの指摘を受け、いっせいに頭を下げる蛇の目の残党たち。
片淵セイヤを先頭に、床を這いながら、スタッフ達に支えられているチーフの前へと移動する。
それを気にすることなく、初代龍星軍総長は話を続ける。


