彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




トキメキながら、ゾクゾクしていたら瑞希お兄ちゃんが言った。





「警察、呼ばなくていいんだよな?」





低くドスの利いた声が店内に響く。

瑞希お兄ちゃんは、片淵セイヤを見ながら言う。



「警察呼ばなくていいなら、なにがあっても文句はねぇなぁ・・・!?」

「ひっ!?勘弁してください!!」




瑞希お兄ちゃんの迫力に飲まれ、青い顔で謝る片淵セイヤ。



「ま、ますみが!ますみの新しい男が、真田さんの弟の凛さんだったって知らなかったんです!」

「知ってりゃ、ヘビの落書き見せなかったって?ヤバい相手じゃなきゃ、脅しのネタで見せてたってことだなよな?」

「す、すみません!すみません!!」

「オメーよ、うちの4代目と蛇塚共がもめたのを知らねぇわけじゃねぇだろう?鑑別入ってましたから~は、理由になんねぇぞ?」

「勘弁してください!!本当にすみませんでした!!」



そう言って、頭を下げてくる片淵セイヤ。




「すんません!すんません!!許してください!」


「お前、謝る相手が違うだろぉ!!?」


(きゃあ!?)




これに瑞希お兄ちゃんがキレる。

テーブルを叩きながら怒鳴った。



「わび入れるなら、白神さんだろーが!オメーが怪我させたこの店のチーフさんだろうっ!?」



吐き捨てるように言うと、クイッと顎で、うずくまっている店員さんの存在を伝える。






「そ、それで許してもらえるんで・・・!?」

「謝れって言ってんのが聞こえてねぇのか!?テメーら全員、同罪だぞ!?」

「「「「「す、すいません!!」」」」」






瑞希お兄ちゃんからの指摘を受け、いっせいに頭を下げる蛇の目の残党たち。

片淵セイヤを先頭に、床を這いながら、スタッフ達に支えられているチーフの前へと移動する。


それを気にすることなく、初代龍星軍総長は話を続ける。