彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「蓮君・・・・」





唇をすぼめたますみちゃんが、顔を近づける。





「いいぞ~ますみ!」

「うらやましぃ~!」

「でも、これであたしらにもチャンスは出来たよね?」

「ねぇー!ますみに、感謝感謝♪」

「恋の勝負はどうなるかわかんないしぃ~ほら~早くキスして~!」

「キース、キース、キースぅ♪」






楽しそうに冷やかすJK達。






「凛さん、頑張ってください!」

「羨ましいんだよ、ボケ!」

「俺らのためにも総長ファイト~」

「1番違い・・・」

「うはははは!気をつけなはーれーや♪」






使えない仲間達。







「「「「「キース!キース!」」」」」





迫る現実。






・・・・・・・・・・・・・・・いやだ。





(マスク越しでも瑞希お兄ちゃん以外は嫌だぁぁぁぁ!!!)






モニカちゃんでさえ、唇はカンベンしてくれている。




(それが人の見てる前でキスって・・・結婚式じゃないのよ!!?)





そう思うと同時に、はしゃぐ関西人を見て冷めた。

冷酷になれた。






(もうヤマトは見捨てよう。)




いろいろあきらめて、自分の身の安全を選択する。



こうなったら、力づくでますみちゃんをどかせて、この現場から強行突破しよう。






(それしか、私が助かる方法はない!!)






そう決意し、気をつけの姿勢で、降ろしていた両手をますみちゃんの両肩に乗せる。

ガシッとつかむ。






「ますみちゃん。」

「あ・・・」





それでますみちゃんが、パチッと目を開ける。

頬を染めて、何かを期待するように、待っていたように潤っている瞳。

熱い視線を受けながら私も覚悟を決める。





(―――――――――――ごめんなさい・・・・・!!)






やっぱり私、本当に好きな人じゃないとキスできません。

てか、同性は無理です。







(私の恋愛対象は異性の真田瑞希お兄ちゃんだけです。)




心の中で再確認しながらかまえる。


力を込めて、私に恋した哀れな美少女を突き飛ばす――――――――







「ますみぃ!!!」







・・・・予定だったのを、ドスの利いた罵声がジャマしてくれた。