「蓮君・・・・」
唇をすぼめたますみちゃんが、顔を近づける。
「いいぞ~ますみ!」
「うらやましぃ~!」
「でも、これであたしらにもチャンスは出来たよね?」
「ねぇー!ますみに、感謝感謝♪」
「恋の勝負はどうなるかわかんないしぃ~ほら~早くキスして~!」
「キース、キース、キースぅ♪」
楽しそうに冷やかすJK達。
「凛さん、頑張ってください!」
「羨ましいんだよ、ボケ!」
「俺らのためにも総長ファイト~」
「1番違い・・・」
「うはははは!気をつけなはーれーや♪」
使えない仲間達。
「「「「「キース!キース!」」」」」
迫る現実。
・・・・・・・・・・・・・・・いやだ。
(マスク越しでも瑞希お兄ちゃん以外は嫌だぁぁぁぁ!!!)
モニカちゃんでさえ、唇はカンベンしてくれている。
(それが人の見てる前でキスって・・・結婚式じゃないのよ!!?)
そう思うと同時に、はしゃぐ関西人を見て冷めた。
冷酷になれた。
(もうヤマトは見捨てよう。)
いろいろあきらめて、自分の身の安全を選択する。
こうなったら、力づくでますみちゃんをどかせて、この現場から強行突破しよう。
(それしか、私が助かる方法はない!!)
そう決意し、気をつけの姿勢で、降ろしていた両手をますみちゃんの両肩に乗せる。
ガシッとつかむ。
「ますみちゃん。」
「あ・・・」
それでますみちゃんが、パチッと目を開ける。
頬を染めて、何かを期待するように、待っていたように潤っている瞳。
熱い視線を受けながら私も覚悟を決める。
(―――――――――――ごめんなさい・・・・・!!)
やっぱり私、本当に好きな人じゃないとキスできません。
てか、同性は無理です。
(私の恋愛対象は異性の真田瑞希お兄ちゃんだけです。)
心の中で再確認しながらかまえる。
力を込めて、私に恋した哀れな美少女を突き飛ばす――――――――
「ますみぃ!!!」
・・・・予定だったのを、ドスの利いた罵声がジャマしてくれた。


