落ち着いて、凛。
可児君は、家庭事情から香水を消臭剤代わりにしてもおかしくないわ。
(いいわけとして、納得はできるんだけど~!)
「・・・てか、他のみんなもつけてますよね、香水?」
普段はつけてなかったり、別のだったりするのに。
あゆみが丘学園の、女にだらしない男達と同じにおいが、今日の彼らから発せられていた。
「うはははは!わかるかぁ~凛!?いつもと違う香りがするかぁ~!?」
「ええ、いつもと『におい』が違いますからね・・・」
「そーやろ、そーやろう!?フェロモンが出てるやろう~!?うはははは!」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「おっ!?なんや、違うんか!?もしかして、あかんかったか!?」
「いえ、ヤマトが悪いではなく~」
「なんやて!?わし以外のにおいがあかんやと!?」
「マジすか、凛さん!?どこかおかしいんですか!?変ですか!?香水専門店で買ったんですよ!?」
「俺なんか、わざわざ調合してもらったんだぞ!?その香りにケチつける気か!?」
「金かけたなぁ~悠斗?まぁ、相手が桃山女学院なら気合入るのもわかるけどよぉ~」
「そういうオメーは、ブランド物のコロンかよ?どっちが気合入ってんだか・・・!」
「うはははは!えんなんとか君こそ、わしより高い香水こうてたやん!?」
「はあ!?おま、あの店で買ったのかよ!?てか、バラすなボケー!!」
五人仲良く固まってしゃべる彼らに、話の内容に、頭痛を覚える。
「みんな・・・・今日はどうしたんですか?いつもと違いすぎますよ・・・!?」
「あ?違って当然だろう?」
私の問いに、通常運転の円城寺君が不機嫌そうに言う。
「合コンだからな。」
間違えた。
私への態度はいつも通りだけど、やってることがいつもと違う。
真顔で答える円城寺君に、何とも言えない気持ちになる。


