彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




落ち着いて、凛。

可児君は、家庭事情から香水を消臭剤代わりにしてもおかしくないわ。




(いいわけとして、納得はできるんだけど~!)




「・・・てか、他のみんなもつけてますよね、香水?」





普段はつけてなかったり、別のだったりするのに。

あゆみが丘学園の、女にだらしない男達と同じにおいが、今日の彼らから発せられていた。





「うはははは!わかるかぁ~凛!?いつもと違う香りがするかぁ~!?」

「ええ、いつもと『におい』が違いますからね・・・」

「そーやろ、そーやろう!?フェロモンが出てるやろう~!?うはははは!」

「いや、そうじゃなくて・・・」

「おっ!?なんや、違うんか!?もしかして、あかんかったか!?」

「いえ、ヤマトが悪いではなく~」

「なんやて!?わし以外のにおいがあかんやと!?」

「マジすか、凛さん!?どこかおかしいんですか!?変ですか!?香水専門店で買ったんですよ!?」

「俺なんか、わざわざ調合してもらったんだぞ!?その香りにケチつける気か!?」

「金かけたなぁ~悠斗?まぁ、相手が桃山女学院なら気合入るのもわかるけどよぉ~」

「そういうオメーは、ブランド物のコロンかよ?どっちが気合入ってんだか・・・!」

「うはははは!えんなんとか君こそ、わしより高い香水こうてたやん!?」

「はあ!?おま、あの店で買ったのかよ!?てか、バラすなボケー!!」





五人仲良く固まってしゃべる彼らに、話の内容に、頭痛を覚える。





「みんな・・・・今日はどうしたんですか?いつもと違いすぎますよ・・・!?」

「あ?違って当然だろう?」





私の問いに、通常運転の円城寺君が不機嫌そうに言う。







「合コンだからな。」







間違えた。


私への態度はいつも通りだけど、やってることがいつもと違う。

真顔で答える円城寺君に、何とも言えない気持ちになる。