彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





「だれかぁ~!!噂の割引詐欺犯ですよぉー!!」


「なんだなんだ?」

「えー?詐欺って、なになに?」

「噂のって、まさか・・・!?」


「割引詐欺犯はコイツでーす!!」





もう一度叫べば、周りから人が集まってくる。

そこにはもちろん、被害者のチャラオもいた。

眼をパチクリさせながら、私に聞いてきた。






「どうなってんのー!?てか、チョコたん、つえぇ~!鬼ヤバなんすけど!?」

「ありがとうございます。よければ、一緒に取り押さえるのを手伝って下さい。その後で、あなたの疑問にも答えますから。」

「いいよ!オッケー!」



グシャッ!!



「ぶはっ!?」

「あ。」





笑顔で言うと、茶髪の腹の上に飛び乗るチャラオ。

両肩を押えている私の方に、その振動が伝わる。




(今の・・・・骨にひびが入ったんじゃない・・・?)





そう思っていたら、背後から大声がした。






「おいおい!?どうしたんだよ、チョコ君!?」

「タカさん。」






執行部の腕章をつけたタカさんが、人混みをかき分けて寄ってきた。





「チョコ君!それに、ちーも!なにしてんだよ!?」

「ちわーす、タカさん!お手柄っすよ!」

「なにが!?なんで、チョコたんがここにいる!?お仕事はどうした??」


「お仕事です。」





混乱気味の彼に、持っていたガムシロップを差し出しながら言った。





「タカさん、これ忘れて行ったでしょう?僕、配達に来たんです。」

「だってさ~!ウェイウェイウェイ!チョコたん優しいー!神的に働きもーん!わかるっしょー!?」

「わからねぇよ!俺への配達に来て、なんで、お前と一緒にキャッチらしい男を取り押さえてんだ!?」

「とりあえず、タカオさん。ムーランというお店に電話して、久保という男性スタッフがいるか、聞いてもらっていいですか?」




相手の言い分も、もっともだけど、優先順位は別にある。




「あ?チョコ君、それは一体・・・!?」

「ちーちゃんが下敷きにしてる人、会長さんのお店に被害を与えた悪徳キャッチセールのお兄さんかもしれませんので。」

「なにっ!?」

「お願いします、タカさん。」

「・・・わかった。」




笑顔で頼めば、意味を理解したタカさんが真顔で携帯を取り出す。

野次馬が集まる中、その場ですぐに確認してくれた。

結果、久保という従業員は、そんな奴はいないとわかり、茶髪男は噂の連続割引詐欺犯と判明した。