「だれかぁ~!!噂の割引詐欺犯ですよぉー!!」
「なんだなんだ?」
「えー?詐欺って、なになに?」
「噂のって、まさか・・・!?」
「割引詐欺犯はコイツでーす!!」
もう一度叫べば、周りから人が集まってくる。
そこにはもちろん、被害者のチャラオもいた。
眼をパチクリさせながら、私に聞いてきた。
「どうなってんのー!?てか、チョコたん、つえぇ~!鬼ヤバなんすけど!?」
「ありがとうございます。よければ、一緒に取り押さえるのを手伝って下さい。その後で、あなたの疑問にも答えますから。」
「いいよ!オッケー!」
グシャッ!!
「ぶはっ!?」
「あ。」
笑顔で言うと、茶髪の腹の上に飛び乗るチャラオ。
両肩を押えている私の方に、その振動が伝わる。
(今の・・・・骨にひびが入ったんじゃない・・・?)
そう思っていたら、背後から大声がした。
「おいおい!?どうしたんだよ、チョコ君!?」
「タカさん。」
執行部の腕章をつけたタカさんが、人混みをかき分けて寄ってきた。
「チョコ君!それに、ちーも!なにしてんだよ!?」
「ちわーす、タカさん!お手柄っすよ!」
「なにが!?なんで、チョコたんがここにいる!?お仕事はどうした??」
「お仕事です。」
混乱気味の彼に、持っていたガムシロップを差し出しながら言った。
「タカさん、これ忘れて行ったでしょう?僕、配達に来たんです。」
「だってさ~!ウェイウェイウェイ!チョコたん優しいー!神的に働きもーん!わかるっしょー!?」
「わからねぇよ!俺への配達に来て、なんで、お前と一緒にキャッチらしい男を取り押さえてんだ!?」
「とりあえず、タカオさん。ムーランというお店に電話して、久保という男性スタッフがいるか、聞いてもらっていいですか?」
相手の言い分も、もっともだけど、優先順位は別にある。
「あ?チョコ君、それは一体・・・!?」
「ちーちゃんが下敷きにしてる人、会長さんのお店に被害を与えた悪徳キャッチセールのお兄さんかもしれませんので。」
「なにっ!?」
「お願いします、タカさん。」
「・・・わかった。」
笑顔で頼めば、意味を理解したタカさんが真顔で携帯を取り出す。
野次馬が集まる中、その場ですぐに確認してくれた。
結果、久保という従業員は、そんな奴はいないとわかり、茶髪男は噂の連続割引詐欺犯と判明した。


