彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




声のした方を見れば、2人の若い男がいた。






「あの人・・・・!?」





1人は茶髪にスーツを着た男性。

もう一人は―――――――――






「ウェイウェイウェイ~♪」

「タカ&トモさんと一緒にいた子!」







にぎやかな黒髪の男子だった。

2人が立っているのは、キャバクラの看板が並んでいる場所。





(こんなところで、なにしてるんだろう・・・・・・)





目をこらしてみれば、彼の腕にあるべきものがない。





(執行部の腕章がない・・・?今、休憩中なのかな?)





だからといって、こんな不健全な場所で休憩するのもどうだろう。

気づけば、そっと2人に近づいていた。

同時に、聞えてきた会話に、私の心臓は嫌な動きをした。







「お兄さんを通せば、割引がきくってマジすかー!?」

「もちろんだって!俺、お店の専属のスタッフだから、安くできるんだよ~!」

「助かるぅー!俺、タカさんとトモさんにお礼したくてさぁー!金欠だったから、ミラクルラッキー系なぁ~!」

「それいいね!じゃあ、さらにサービスするよ!3名様だから、お一人様2万にしてあげるよ!」

「えっ!?半額にしてもらっていいのー?」

「君の優しさに心打たれてね~本当なら6万するけど、3万でいいよ。その代わり、今この場で前金として、俺に3万円払ってくれる?」

「ウェイウェイ!先払い的な意味っすね~?」

「そうそう、先払い。じゃあ、3万渡してくれるかな?」






そこまで聞いて、あれ?と思う。





(ちょっと待って!この話、どこかで―――――――――)





”自分は店の者だと名乗っているが、実際は無関係。ありもしない割引を実行するために、自分へ金を払えと言う性質の悪い者だ。”






獅子島さんの言葉がよみがえる。


頭の中のピースがかみ合う。







「詐欺だ。」






言葉にした時、目の前で、取引が成立しかけていた。