彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



甘いシロップの入ったカップを持って移動する。





(執行部があるテントは、こっちでよかったよね・・・?)






キョロキョロしながら、たくさんの屋台を見渡す。

タカさんのいるのは、執行部のテントだった。

事前にもらった地図を頼りに、目的地へと向かった。

甘くないのを飲んじゃう前に、早く渡さないといけないという気持ちもあったけど、






(瑞希お兄ちゃん・・・・すごく怒ってたな。)





好きな人のご機嫌のことばかり、気になっていた。





(渕上達に軽い仕返しするはずが、逆に瑞希お兄ちゃんからん好感度を下げてしまうなんて・・・・)


いじめっ子だったとはいえ、しっかり拒絶できなかった。

瑞希お兄ちゃんに損失を与えただけでなく、嫌な役をさせちゃった。

そんな自分が恥ずかしかった。





(情けない・・・・)





「帰るのが憂鬱・・・・帰りにくいよ・・・」




とはいえ、私はここに遊びに来たわけじゃない。

まだ、夜店は終わっていない。






「早く渡して帰ろう・・・・」





そして、もう一度謝ろう。

つき返したお金の分だけ、働いて取り戻そう。






(とはいえ、こんなに人が多いと道に迷いそう・・・)





位置を確認しようと、地図を取り出す。

人の流れの中で立ち止まれないので、人混みから外れた路地に移動する。

近くの路地へと足を踏み入れる。





「やだぁ~きゃははは!」

「良い子いますよ、社長!」

「もう一件だ、次行くぞ!」




(あ・・・・この辺は、飲み屋街(のみやがい)なんだ。)





健全な盛り上がりとは違った意味で、そちらもにぎやかだった。

お祭りのせいで、余計に華やかだ。






(まぁ、私には関係ないけどねー)





そう思いながら、現在地を確認している時だった。






「マジすか!?」

「マジだよ。」

「ん?」






大きな声がした。

酔っ払いもいるので、騒がしいぐらいなら私も気にしない。





(あれ?この声は―――――――)





聞き覚えがあったので、思わず耳をかたむけた。