えらいえらいと、頭をなでてくるタカ&トモ。
そんな様子に、瑞希お兄ちゃんが小さく笑う。
「ははは!ホント、うちの子のために、いろいろ悪かったな。」
「お兄ちゃん。」
「俺が客のあしらい方、こいつにきちんと教えてないのが悪かった。おかげで、執行部のオメーらにまで迷惑かけちまって・・・」
「なに言ってんですか、お兄ちゃん!?」
とんでもない弁解を始める彼に、強い罪悪感を覚える。
「お兄ちゃんは悪くないです!」
「ばか。こういうのは、オーナーである俺の責任だ。」
「違います!迷惑かけないって言ったのに、実行できなかった僕が・・・!」
「気にするな。なにも害はなかったんだから、お前は悪くない。」
「いいえ!僕がちゃんと断らなかったので、ただ飲みまでさせてしまったんですから!」
「ほぉ、それは興味深い話だ。」
そんな言葉と一緒に、背後から肩をつかまれた。
同時に、冷たい殺気を感じる。
「あう!?そ、その声は・・・・!?」
「お代を頂かずに、お帰り願ったのかね、チョコちゃん・・・?」
振り向かなくてもわかる。
「げ!?」
「「あなた様は~!?」」
瑞希お兄ちゃんと、私の正面にいたタカ&トモの顔が引きつる。
「両替を終えて戻ってみれば・・・悪質な客を引き込んだみたいだな、チョコちゃん?」
「いや、あの、僕は~」
「おい!そいつは悪く――――――」
「お前は黙っていろ、お兄ちゃん。なにがどうして、十数人分のドリンクをタダでくれてやったのか・・・ゆっくり話を聞こうかな、チョコちゃん・・・!?」
「あう・・・ごめんなさーい・・・・!」
肩にかかる圧力を感じながら謝罪する。
彼がどんな顔で言っているのか、見なくてもわかる。
いや、想像はつくのだけど・・・・
「うわぁ~ヤバいっしょ?鬼ヤバ~これ、ガチでお気の毒系っしょー!?」
そうコメントしてくれる若者のおかげで、叱られる準備は出来たのだった。
〔★魔王が降臨した★〕


