「どうすんだよ、おねーちゃん?」
タカさんが渕上に話しかける。
これにいじめのボスは、爪を見てから視線を上げる。
「お兄ちゃんなの?」
「え?」
ピンクの唇がつむいだのは、タカさんの質問には答えなかった。
視線もタカさんを見ていない。
見ているのは――――――――
「チョコとそっちのお兄さん、兄弟?」
「・・・は?あ、僕?」
私だった。
正確には、『チョコと名乗る凛道蓮』を、だ。
(なんで、私に話をふるの!?)
なぜここで、その話題に戻るかわからない。
聞いてくる相手に、わけがわからなくなる。
(とはいえ、答えて困ることじゃない!)
それで除霊できるなら安いものよ!!
〔★悪霊扱いだ★〕
追い払いたい気持ち半分と、見せつけたい気持ち半分で言った。
「僕のお兄ちゃんです。」
「お、おい!?」
好きな人の腕をつかみ、しっかりと腕組みしてみせる。
その瞬間、良いにおいがする。
コーヒーと合わさった瑞希お兄ちゃんの香り。
ドキッとするような大人のにおい。
それもあって、表情も緩んだのかもしれない。
「・・・・なに笑顔で、俺のこと、紹介してくれてるんだよ?」
「えへへへ!だって♪」
ついでに気持ちもなごむ。
瑞希お兄ちゃんに指摘されたけど、それさえも嬉しい。
「おいおい・・・お兄ちゃんですって・・・マジで、ぶりっ子だよな?あざといよな、ルノア?」
そんな私を見て飯塚が、渕上に声をかける。
これを受けて女ボスは―――――――
「行こう。」
「ルノア?」
「粘ってもムダだから、行くんだよ。」
ぶっきらぼうに、『帰る』と口にするいじめのボス。


