彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)






「・・・・・・・いじめじゃないよね?」

「はあ?」



飲み物を渡す瞬間、そっと小声で耳元へつぶやいた。




「君、いじめられてるとかじゃないよね?大丈夫・・・?」



そう告げたら、首ごとこちらを見た。

細かった目が丸くなっていた。

もうニラんでなどいない。

そんな表情をどうでもいいと思いながら言った。






「・・・だめだよ、いじめ。ちゃんと、強がらずに言うんだよ?」





知らない人が聞けば、いじめを心配しての発言。

しかしこれには、別の意味も込められてる。




(いじめはしちゃダメなんだよ~・・・!?ちゃんと正直に、悪いことしてるって懺悔できればいいのにね・・・・!?)



〔★嫌味だった★〕





「あんた・・・!?」

「はかなそうに、寂しそうに見えたから。ごめんね、もう言わないよ。」





何か言いかけてた相手に、小さいながらも強い口調でその言葉をさえぎってやった。

はかないも、さみしそうも、私からすればありえない渕上ルノアの印象。

ただ、彼女が『被害者』だと思っている馬鹿な教師の1人が言っていたので言ってやっただけ。

聞きなれてる便利な言葉だから、不愉快じゃないでしょう?




自称・いじめられっ子さん?






「選んでくれて、本当にありがとう~♪」





ニッコリと、完璧な笑顔を作ると元の大きさに声を戻す。




「お金も・・・失礼しちゃって、ごめんなさい!はい、おつりでーす。」



きりのいい金額だったので、紙のお金を数枚渡して終了。






「人混みも多いから・・・・いろいろ気をつけて下さいね?」





そう、今のうちにせいぜい楽しんでおきなさい。





(私が寝首かくまで、用心しやがれ・・・!)





怒りを抑えて、渕上達に告げる。




「お買い上げ、ありがとうございました~♪」

「ありがとうございます!」



私の甘ったるい声に、瑞希お兄ちゃんの声も続く。



〔★販売完了である★〕