「・・・・・・・いじめじゃないよね?」
「はあ?」
飲み物を渡す瞬間、そっと小声で耳元へつぶやいた。
「君、いじめられてるとかじゃないよね?大丈夫・・・?」
そう告げたら、首ごとこちらを見た。
細かった目が丸くなっていた。
もうニラんでなどいない。
そんな表情をどうでもいいと思いながら言った。
「・・・だめだよ、いじめ。ちゃんと、強がらずに言うんだよ?」
知らない人が聞けば、いじめを心配しての発言。
しかしこれには、別の意味も込められてる。
(いじめはしちゃダメなんだよ~・・・!?ちゃんと正直に、悪いことしてるって懺悔できればいいのにね・・・・!?)
〔★嫌味だった★〕
「あんた・・・!?」
「はかなそうに、寂しそうに見えたから。ごめんね、もう言わないよ。」
何か言いかけてた相手に、小さいながらも強い口調でその言葉をさえぎってやった。
はかないも、さみしそうも、私からすればありえない渕上ルノアの印象。
ただ、彼女が『被害者』だと思っている馬鹿な教師の1人が言っていたので言ってやっただけ。
聞きなれてる便利な言葉だから、不愉快じゃないでしょう?
自称・いじめられっ子さん?
「選んでくれて、本当にありがとう~♪」
ニッコリと、完璧な笑顔を作ると元の大きさに声を戻す。
「お金も・・・失礼しちゃって、ごめんなさい!はい、おつりでーす。」
きりのいい金額だったので、紙のお金を数枚渡して終了。
「人混みも多いから・・・・いろいろ気をつけて下さいね?」
そう、今のうちにせいぜい楽しんでおきなさい。
(私が寝首かくまで、用心しやがれ・・・!)
怒りを抑えて、渕上達に告げる。
「お買い上げ、ありがとうございました~♪」
「ありがとうございます!」
私の甘ったるい声に、瑞希お兄ちゃんの声も続く。
〔★販売完了である★〕


