全員へ商品が行き渡ると、自信満々に渕上が言ってきた。
「早かったでしょ~?一緒に配ったから。」
「あ、はい。ありがとうございました♪えーと、お会計してもいいですか?」
「だめ。」
「えっ!?」
「きゃはは!嘘だよ~」
(この女・・・!!)
私の反応を見て、手を叩くバカ女。
(人前じゃなきゃ、平手で、メッタ打ちにしてやるのに・・・!)
〔★気持ちはわかるがしてはいけない★〕
「食い逃げるするとでも思った~?ちゃんと払うからさ♪」
(ふざけるなよ、この馬鹿ATM・・・・!)
と言いかけて、ニコッと笑い直す。
「それを言うなら、飲み逃げですよぉ~?本当に・・・君が全部負担していいの?」
怒りで充血しそうな目で見る。
「金がないとでも、思ってんの?」
途端に、声のトーンが一気に落ちた。
見れば、よく見る渕上ルノアになっていた。
不機嫌な態度になった渕上を見て、男達の顔に笑顔が戻る。
「うわ、こいつサイテー!」
「けっきょく、金が大事ってかぁ~?」
「やっぱ、媚びてたんだぜ?あざとーい!」
菅原凛の時みたいに、はやし立ててくる。
どちらの反応にもムカつきながら、首を横にふる。
「そんなんじゃないですよぉ~!」
「チョコ、お支払いを名乗り出たお嬢様とその彼氏さん分が出来たぞ~?」
「はいはい、ただいま!」
痛い視線を向けてくる女から離れ、瑞希お兄ちゃんから飲み物を受け取る。
そんな私の動きを、まばたきすることなく、ジーとみている渕上。
(たくっ!今度はテメーかよ!?いつまでも、ニラんでんじゃねぇぞ、馬鹿渕上!)
心の中で、凛道蓮を発動させながら思う。
(気に入らないと、すぐこれよ!)
ふてくされて、不機嫌になって、八つ当たり!
渕上るのあって、こういう面倒な女なんだよね!
だから大っっっ嫌い!!
(とはいえ、あとで仕返しされて、瑞希お兄ちゃんを巻き込んでも困る・・・)
だから、いろいろ我慢して、優しい台詞を吐いてやった。


