本心を言いたいが、我慢をする。
マスクで隠れた口元をひきつらせながら、なごやかな声を出しながら言った。
「じゃ、じゃあ~優しいお姫様に甘えちゃおうかなぁ~?」
「そうこなくっちゃ。」
「では~お客様の中で、ご注文がまだの方いらっしゃいますかぁ~?」
「向井、佐田、まだだろう?さっとんも、早くしてよ。グズなんだから!」
「くっ・・・わ、悪い、ルノア。俺、コーラの入ってるコーク・ブラックのLで・・・」
「お、俺も!同じものを・・・」
「じゃあ、俺は『コーヒー・ジンジャー』に・・・」
「早く言えよ、馬鹿共。」
「「「ご、ごめん、フッチー・・・・!」」」
渕上の言葉で、いまいましそうに注文する太めのクラスメート達。
(やっと注文したか、デブ共!てか、文句を言ったのは渕上なのに、なぜ私をニラんでくるのかな!?)
だんだんと、険悪なムードになりつつあったので、早くお帰り願いたかった。
というか、限界。
(もう耐えられない!さっさとお金もらって追い払わなきゃ!!)
手早い瑞希お兄ちゃんのおかげで、作り直しの分も含めてすぐに出来上がった。
「お待たせですぅ~時間かかってごめんなさい!」
「気にしなくていいよ。デブ共はいいけど、中山は途中で注文変えたし~ほら、カプチーノだぞ、中山!」
「ど、どうぞ、若旦那♪」
遠慮気味な態度をよそおい、笑顔だけ中山に向ける。
毎回毎回、人に無意味なタックルや暴力を振るお調子者。
人を見下す笑みしか見たことなかったので、ギロッとニラんできたことが意外だった。
(こういう顔もするのねー・・・)
少し予想は出来ていたけど。
〔★知りたくもない一面だった★〕


