彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




瑞希お兄ちゃんが『何』を不快に思ってるのか、すぐにはわからなかった。

考える前に、私の側にいた女がしゃべった。



「いいよ。あたし、金はあるから。あたしとアダムの分は最後でいいから、先にこいつらのオーダーを聞いてやって。」

「ははは!大盤振る舞いだな、お姫様?じゃあ、順番に聞いて行こうかな?」



(受けるんだ、オーダー・・・)




接客モードで答える瑞希お兄ちゃんに、複雑な気分になる。

そんな私の気持ちを知らない愛しい人は・・・仕方ないけど!

私にとって不愉快な連中が、私の方へと押し寄せてきた。




「はいはい!まずは、あたしの注文聞いてぇ~」

「ちょっと、私が先よ!可愛い彼氏~聞いてくれるぅー?」

「おい、俺が先だろう?」

「なによ、レディーファーストでしょう!?ねぇ、可愛い彼氏~?」

「コーヒーの王子様でもイケるよねぇ~!?」

「浮かれすぎだぞ、お前ら~!?」



渕上の言葉を受け、にぎやかにオーダーしてくるいじめっ子達。




「チョコ、ちゃんとおうかがいしろよ?」

「あ・・・はい。」




カフェインを作り始める瑞希お兄ちゃんを見て、慌てて仕事に戻ったのだが――――





「チョコって言うの?」

「え?」

(またお前!?まだ用があるの!?)





メモを取ろうとする私の目の前に、注文を終えた渕上がやってくる。






「名前、『チョコ』って言うの?本名?てか、どんなあだ名?」


(お前に言う義理はない。)





と思ったけど、手荒には出来ないので我慢。

ピエロのように、怒りを茶化す気持ちへと変えながら対応した。




「それがねぇ~動き方がチョコチョコしてるから、『チョコ』って言われてるんだ~でも、安心してください!溶けませんから♪あははは!」

「ぷっ!やだぁ~なにそれ~?」


(お前が『なにそれ!?』だよ!)







私の言葉に、可愛い子ぶって、女の子らしく笑うクソ女。

それは渕上だけじゃなかった。