彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「なに言ってんだよ、ボケ店員。ルノアは、おすすめ聞いてんだろうが。」

「アダム。」


(飯塚アダム!?)




せっかく話がまとまったのに、いきなりいちゃもんをつけてきた。




「一番出てるじゃねぇだろう?ちゃんと接客しろよ・・・!」




渕上の男が文句を言ってきた。

おかげで、せっかくの笑顔が崩れそうになる。





(この野郎・・・ぶっ飛ばしてやろうかっ!?)





ムカつくお客はいるが、こいつが今夜の最高クラス。





(とはいえ、瑞希お兄ちゃんの顔に泥を塗るわけにはいかない!!)



「すみませーん、僕の言い方が悪かったですね?今夜は『カフェ・スラブ』が特に『美味しい』って買ってくれたお客様がおっしゃるので~販売前の試飲で僕も、同じように思ったので、勧めちゃいまして~」

「ああ?テメーの好みを俺の女に押し付けるのかよ!?」

「とんでもない!ただ、嫌いじゃなかったら、ハートのお姫様にも飲んでほしいなぁーて?」

「はあ?『ハート』だぁ~!?」

「もしかして、あたしのこと?」




ニラんでくる飯塚の隣で、渕上が聞いてくる。

しゃべりたくはなかったが、面倒な状況を終わらせるためにも、笑顔で答えてやった。





「はい♪小指につけてるハートの指輪、すごく似合ってますから。」

「指輪?」






小さくつぶやくと、再び口を開く渕上。




「・・・指輪だけ?」

「いいえ。全体的に可愛いけど、一番指輪が目立って見えましたから。素敵な引き立て役になってると思いまして♪」

「・・・ふーん。」




私の言葉に、考えるようなしぐさをする渕上。




「いい加減にしろよ、ぶりっ子!こいつ、俺の女んだぞ?それを指までジロジロ見ー」

「うるさいよ、アダム。」

「ルノア!?」

「うるさい。」

「っ・・・!」



その一言で、飯塚が黙った。





「ごめんね、焼きもち妬きでー?」




代わりに、渕上が口を開く。