「チョコ、お客さん!」
そう言いながら、瑞希お兄ちゃんが立ち上がる。
(ああああ!密着タイムがァァァ!!)
逃げた獲物に、心の中で、ジーザス!!と叫ぶ。
(ムカつく!お客さえ来なければ、瑞希お兄ちゃんともっと・・・・!)
とはいえ、夏祭りの屋台にお客が来ない方が困る。
諦めて立ち上がり、お客さんへと笑みを浮かべる。
(が、我慢我慢!諦めて、接客モード!!)
変身!と心の中で叫んで対応する。
「こんばんは~ご注文は、冷たいカフェオレでいいですかぁ~?」
「は、はい!」
「2つ下さい・・・!」
頬を染めながら言う着物を着た女の子2人。
その顔を見て、体が固まった。
(え?)
あれ?この二人は・・・・・・・・・・!?
「こら、チョコ!注文は?」
「あ、あ、はい!つ・・・・冷たいカフェオレを、お嬢様にお二つです・・・・!」
「きゃあ~!お嬢様って・・・」
「な、なんか恥ずかしね・・・!」
なに?どういうこと?
(マキちゃん?夏美ちゃん?)
目の前にいるのは、元友達のクラスメート。
(な・・・・・・・・・なんで2人がここにいるの!?)
〔★夏祭りだからだろう★〕
一瞬、頭が真っ白になる。
同時に、恐怖が襲う。
(わ、私ってバレないかな!?)
視線をそらしたいけど、不自然すぎてはいけない。
(大丈夫!マスクしてるし、髪形もウルフにしてるから・・・・!!)
バレないと願いたい・・・!
「お・・・お会計、別々でいいですかぁ~?」
「あ、はい!えっと、300円ですよね?」
「ええ・・・・お1人様、300円になります。」
「はーい、今出します!」
私の言葉に、笑顔でマキちゃんと夏美ちゃんが答える。
2人は財布から千円札を出すと、私に向けて差し出した。


