彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「じゃあ、代わりにコーヒー職人さん、一緒に撮ろう♪」


(なに!?)


こともあろうに、瑞希お兄ちゃんへとターゲットを変える女子達。

これに瑞希お兄ちゃんは、営業用スマイルで答える。




「こいつの代用ですか?まぁ、美人の頼みなんで聞いちゃいますけど?」

「えー?自分の方が美人のくせにぃ~」

「はい?」


「あ・・・」

(もしかして、彼女達も・・・)





「「「はい、チーズ!」」」





笑顔で固まった瑞希お兄ちゃんを取り囲むようにし、自撮り棒で撮影を行う女達。





「『お姉さん』、ありがとう~!」

「今度は、坊やも一緒にね~」

「早く写真慣れしてねぇ~ばいばーい!」

「・・・ばいばい・・・」




ご機嫌で去って行くお姉さん達に手を振る。

笑顔で、静止したままの瑞希お兄ちゃんの背後から。

動かない理由がわかっているので、対応の仕方はわかっているが・・・




「お、お兄ちゃん!僕が撮影断ったから、腹いせでからかわれちゃいましたね!?すみません!」

「・・・本気で言ってるのか、凛?」

「そうですよ!ねぇ、獅子島さん!?」

「そんなことあるか、バカたれ。ハンサムウーマンという言葉あるだろう?出来る女に見られたようだな。」

「話をあわせてくださいよ、獅子島さん!?」

「やっぱ、本気で言ってなかったなぁ~凛!?」

「ああ!違います、違います、僕は~!」

「わかってる!けど、やめろよその優しさ!お兄ちゃん、嬉しいけど悲しい!」

「ごめんなさーい!でも、瑞希お兄ちゃんは『カッコいい男』です!」

「凛・・・!お前って奴は、なんて可愛いんだ・・・!ごめんな、気を使わせて・・・!」

「そんな・・・ホントだもん!僕、瑞希お兄ちゃんのこと、本当に男らしいとー」

「ブラコンはそこまでにして、凛道、その服装は動きやすいか?コーヒーマークがプリントされているシルキロール、密集した場所でつけていても熱くないのか?」

「って、伊織―!?」

「このタイミングで、気遣ってくれますか、獅子島さん!?動きやすいですけど!」

「すみませーん!注文したいんですけどー?」

「はい、只今そこにいる小動物が承ります。チョコ、接客だ。瑞希姫は作る用意を。」

「誰が姫だコラッ!?」

「きゃ!?こわ~い!怒鳴られたぁー」

「ああ、すみません!お客様!お客様に怒鳴ったのではなく~」

「そうですとも、お嬢様!どうぞ、こちらへ!僕が貴方の引き立て役(コーヒー)をおうかがいします!持ち歩きますよね!?」

「ぷっ!やだぁ~可愛いこと言うー♪そこまでいうなら、あたしの引き立て役を選んでもらおうかなぁ~?」




機転を利かせ、なんとかお客さんの機嫌を直して引き止められた。

その後も続々と、客足は途切れない。