彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「すみません!お姉さんのお店だと聞いたので、てっきり小悪魔なお姉さんが悪いことをしてると~!」

「それならおじさんも、騙されちゃったぁ♪って、ちょっと得した気分の被害者になれたぜ、チョコちゃん?」

「ええ!?会長さんも被害者でしたか!?」

「そういうこと!おじさんがやってるお店でもやられたんだ。」



身近なところにいた被害者に聞けば、ムスッとした顔で会長は答えてくれた。





「うちの従業員じゃない奴が、うちの店の者だって語って、お客さんから金をだまし取ってから、うちに送り込んでくれてんだよなぁ~」

「ひどいですね!?被害にあったお客さんは、犯人について何と言ってるんですか?」

「っ!そ、それがなぁ~」

「どうしました??」


「覚えとらんのだ。」


「獅子島さん!?」

「伊織君!」




そう言ったのは眼鏡の先輩。





「連中がカモにしてるのは、酒を飲み過ぎている者ばかりだ。酔い過ぎているせいで、顔を覚えてないんだ。」

「そうなんですか、会長さん!?」

「そーなんだよっ!!そこ狙って、金をだまし取ってやがるんだ・・・!うちも被害者だが、懐を痛めてる分、お客さんが一番の被害者なんだよなぁ~今のところ、全員泣き寝入りで・・・・ホント、困ってんだよな~」

「知能犯ですね・・・」


「そうだ。悪知恵が働きすぎてんだよ・・・!」

「瑞希お兄ちゃん。」



呆れながら言えば、むすっとした顔で私の愛しい人が言う。





「凛は子供だから、声をかけられることはねぇと思うけど・・・声をかけられてる大人を見かけたら、俺に通報しろよ?」

「心得ましたぁ!」

「そうだぜ!おじちゃんにも教えてくれよ!飛んできて、やっつけてやるからな!?」

「流石会長。おじいさんの見た目に反して、おじさんのような行動力。あと、その小動物は意外と凶暴なのでご心配なく。」

「はあ!?言うことと冗談がきついなぁ~伊織君!?チョコちゃんが危険だなんてとんでもない!」



とんでもないのか・・・



〔★それが凛のイメージだった★〕