彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)






「『キャッチ』って言うのは、店に客を呼び込む奴らのことだ。この辺、綺麗なお姉さんがいる夜のお店が多いんだけど、飲みに来た客相手に定価の料金以上の金をふんだくる詐欺が起きてんだ。それが悪質がつくキャッチのことだよ。」

「えっ!?定価以上の金額を、だまし取れるんですか・・・?」

「それができるんだよ。方法は簡単。『良い女がいる飲み屋を安く紹介する』って言って、先に『前金』を払わせるんだ。」

「前金ですか?」

「ああ。『5万払うところを、今この場で1万払ってくれれば、1万円引きにする。店で3万払ってくれれば、1万得をする』とか言って・・・。実際は、案内された店でお会計してみたら、きっちり5万円請求される。」

「え!?一部入金してるのに!?」

「そこで詐欺に気づくってことだ。」

「なるほど!」



瑞希お兄ちゃんの説明に納得したと同時に、あれ?と思う。





「それだと、お店も共犯じゃないんですか!?」



思ったことを口にする。

キャッチとお店のつながりを考えれば、そう考えるのが自然だったけど・・・





「いいや、この事件はキャッチによる単独犯だ。自分は店の者だと名乗っているが、実際は無関係。ありもしない割引を実行するために、自分へ金を払えと言う性質の悪い者だ。」

「悪ですね!?」



〔★悪質キャッチの単独犯だ★〕





「グルと思わせて、グルじゃないなんて!峰不二子ちゃんのようなものですか?」

「峰不二子に謝れ、馬鹿者。不二子ちゃんが、そんな小悪党的なことをするか。」

「獅子島さん!?」





そう言ったのは、熱い日差しの中でも涼しい顔の切れ者。




「小悪党なんですか?」

「そうだ。なによりも、犯人は男だ。」

「ごめんなさい、不~二子ちゃ~ん!!」



〔★凛は素早く謝罪した★〕