「あのガキ共・・・!やっぱり、しばく・・・!?」
「ダメですよ、瑞希お兄ちゃん!僕は、ちゃんとわかってるから!」
「そうだぞ、瑞希。俺も長い付き合いの中、何度かがっかりしている。」
「どういう意味だ伊織!?」
「獅子島さん、からかっちゃダメです!」
「はははは!ホント、お前らは仲がいいなぁ~」
「会長さん。」
私達3人のやり取りを見て、おじいさんが言う。
「サナちゃんの性別に関しては、そのつど修正していくから心配すんな。」
「そんなに間違いが多いんすか!?」
(そうみたいですよ・・・・・・)
今の騒ぎで、『えっ!?男!?』と言わんばかりの顔で、こちらを見ている人が何人かいる。
獅子島さんは気づいてるみたいだけど、瑞希お兄ちゃんは気づいていない。
私も気づいてはしまったけど、それを言うつもりはない。
(これ以上、好きな人を傷つけたくないもんね・・・)
〔★どちらかと言えば、怒るだ★〕
「俺は男ですからね!?」
「わかってるって!だから、気をつけて行こうってんじゃねぇか?それよりも、『例の奴』に、気をつけろよ?」
「例の奴?」
なに?と思って聞き返せば、なに?という顔で会長さんが言う。
「チョコちゃん、知らないのか?」
「え?えーと・・・」
「サナちゃん、話してないのか?」
「あ、いや~・・・これから話そうと思ってたんすけど・・・」
「なんのお話ですか?」
「悪質なキャッチの話だよ、チョコちゃん。」
「キャッチ?」
「おーい、サナちゃん!」
「今日教えようと思ってたところですよ!」
ふーと息を吐くと、私の肩に腕を回しながら瑞希お兄ちゃんは言った。


