彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「あのガキ共・・・!やっぱり、しばく・・・!?」

「ダメですよ、瑞希お兄ちゃん!僕は、ちゃんとわかってるから!」

「そうだぞ、瑞希。俺も長い付き合いの中、何度かがっかりしている。」

「どういう意味だ伊織!?」

「獅子島さん、からかっちゃダメです!」

「はははは!ホント、お前らは仲がいいなぁ~」

「会長さん。」



私達3人のやり取りを見て、おじいさんが言う。



「サナちゃんの性別に関しては、そのつど修正していくから心配すんな。」

「そんなに間違いが多いんすか!?」



(そうみたいですよ・・・・・・)



今の騒ぎで、『えっ!?男!?』と言わんばかりの顔で、こちらを見ている人が何人かいる。

獅子島さんは気づいてるみたいだけど、瑞希お兄ちゃんは気づいていない。

私も気づいてはしまったけど、それを言うつもりはない。



(これ以上、好きな人を傷つけたくないもんね・・・)



〔★どちらかと言えば、怒るだ★〕



「俺は男ですからね!?」

「わかってるって!だから、気をつけて行こうってんじゃねぇか?それよりも、『例の奴』に、気をつけろよ?」


「例の奴?」





なに?と思って聞き返せば、なに?という顔で会長さんが言う。



「チョコちゃん、知らないのか?」

「え?えーと・・・」

「サナちゃん、話してないのか?」

「あ、いや~・・・これから話そうと思ってたんすけど・・・」

「なんのお話ですか?」



「悪質なキャッチの話だよ、チョコちゃん。」

「キャッチ?」

「おーい、サナちゃん!」

「今日教えようと思ってたところですよ!」





ふーと息を吐くと、私の肩に腕を回しながら瑞希お兄ちゃんは言った。