こちらを見る男子達を見ながら思う。
(何人か、瑞希お兄ちゃんを見てるんだよね・・・・。)
「おい、ヤバくねぇ?」
「マジ、可愛いじゃん?」
「年上かな?年下かな?それともタメ?」
「どっちでもいいんじゃねぇ?後で声かけちゃう?」
「えー?ナンパはご法度系っしょー?」
「うるせぇ、バカ男!早い者勝ちだろう?」
「じゃあ、作業する時に聞いちゃうか~?」
ニヤニヤ、チラチラと、瑞希お兄ちゃんを見る若造共。
瑞希お兄ちゃんの全体を、まんべんなく見ている。
特に注目していたのは―――・・・
(瑞希お兄ちゃんの胸を・・・・)
胸を見てるんだよね・・・・・・
そう思ったのは私だけではなかった。
先手を打って、村さんという人が咳払いをする。
それで視線を村さんに移した若者達に、おじさんは瑞希お兄ちゃんを指さしながら言った。
「おい、先に言っておくが、こいつは男だぞ?」
「「「「「ええ!?」」」」」
「マジっすか!?超見えない系っすね~!」
「ケンカ売ってんのか、ゴラぁ!?」
(やっぱり・・・)
〔★間違えられている★〕
私も初対面で間違えたけど・・・繰り返さると、本人じゃなくてもうんざりする。
「くらぁ!クソガキ共!誰が女だ、誰が!!?」
「落ち着いて、お兄ちゃん!」
「人をガン見してたと思えば~そんなに気になるなら、女かどうか見せっぞ!?脱いでやろうかっ!?」
「やめてぇ!!昼間から、そういうサービスはしないで下さい!」
「まったくだ。しょっぴかれるぞ、馬鹿者。やめんか。」
「上等だ!どいつもこいつも、人を女扱いしやがって~」
「まぁまぁ、抑えてくれって、サナちゃん!」
「会長さん!」
「つーことで、村さん!その子らには、この辺りで仕事の手伝いさせてやってくれ!」
「わ、わかりました。おい、お前ら、こっちに来い!」
「はーい。」
「へーい!」
「りょーかいっす!」
「てか、あれで男~・・・?」
「しんじらんねぇー詐欺っしょ?」
「俺のドキドキ返してほしい系~・・・・」
村さんと呼ばれた中年が指示すれば、瑞希お兄ちゃんへの感想を述べながら去って行く男子達。
こちらから、かなり離れた場所で祭りの準備を始めるが、明らかにテンションが下がっていた。


