彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




こちらを見る男子達を見ながら思う。





(何人か、瑞希お兄ちゃんを見てるんだよね・・・・。)





「おい、ヤバくねぇ?」

「マジ、可愛いじゃん?」

「年上かな?年下かな?それともタメ?」

「どっちでもいいんじゃねぇ?後で声かけちゃう?」

「えー?ナンパはご法度系っしょー?」

「うるせぇ、バカ男!早い者勝ちだろう?」

「じゃあ、作業する時に聞いちゃうか~?」





ニヤニヤ、チラチラと、瑞希お兄ちゃんを見る若造共。




瑞希お兄ちゃんの全体を、まんべんなく見ている。

特に注目していたのは―――・・・



(瑞希お兄ちゃんの胸を・・・・)

胸を見てるんだよね・・・・・・



そう思ったのは私だけではなかった。

先手を打って、村さんという人が咳払いをする。

それで視線を村さんに移した若者達に、おじさんは瑞希お兄ちゃんを指さしながら言った。





「おい、先に言っておくが、こいつは男だぞ?」

「「「「「ええ!?」」」」」

「マジっすか!?超見えない系っすね~!」


「ケンカ売ってんのか、ゴラぁ!?」

(やっぱり・・・)



〔★間違えられている★〕



私も初対面で間違えたけど・・・繰り返さると、本人じゃなくてもうんざりする。



「くらぁ!クソガキ共!誰が女だ、誰が!!?」

「落ち着いて、お兄ちゃん!」

「人をガン見してたと思えば~そんなに気になるなら、女かどうか見せっぞ!?脱いでやろうかっ!?」

「やめてぇ!!昼間から、そういうサービスはしないで下さい!」

「まったくだ。しょっぴかれるぞ、馬鹿者。やめんか。」

「上等だ!どいつもこいつも、人を女扱いしやがって~」

「まぁまぁ、抑えてくれって、サナちゃん!」

「会長さん!」

「つーことで、村さん!その子らには、この辺りで仕事の手伝いさせてやってくれ!」

「わ、わかりました。おい、お前ら、こっちに来い!」

「はーい。」

「へーい!」

「りょーかいっす!」

「てか、あれで男~・・・?」

「しんじらんねぇー詐欺っしょ?」

「俺のドキドキ返してほしい系~・・・・」



村さんと呼ばれた中年が指示すれば、瑞希お兄ちゃんへの感想を述べながら去って行く男子達。

こちらから、かなり離れた場所で祭りの準備を始めるが、明らかにテンションが下がっていた。