「ごめんなさい、瑞希お兄ちゃん・・・僕・・・・」
「凛は悪くねぇよ。今度は、予告してから風呂に入るからさ。」
「よ!?ええ!?入るんですか!?」
「保護してやらねぇーとな?」
「うっ・・・」
ズルい。
(そんな天使のような微笑みをされたら、断れない・・・・!!)
〔★凛は誘惑と戦っている★〕
「まぁ、ゆっくり温もろうぜ~」
「は・・・はい・・・・!」
(実際は、沸騰しそうだけどね・・・・!)
リラックスしながら言う瑞希お兄ちゃんに、複雑な気持ちになる。
彼は利き手で数回、私の頭をなでると、その手を湯の中へと入れる。
反対の手は、浴室のふちへと置いていたのだが・・・・。
「お前、つるつるだな?体毛、薄いのか?」
「え?」
異変が起きたのは、瑞希お兄ちゃんの利き手がお湯の中に消えた時だった。
「凛の足、毛が全然ないな?」
「ひゃ!?」
そう言って、反対の手が私の足をなでている。
(えええ!?ボディタッチ!?)
びっくりして、黙り込めば、それに気づいた瑞希お兄ちゃんが手を離した。
「あ、わりぃわりぃ!俺もすね毛が薄く手さ~烈司達がからかってくるんだよ!」
「そ・・・そうなんですか・・・」
身を丸め、改めて、胸を隠すように固まる。
「悪かったよ、凛・・・いじわるしたつもりじゃないから、そんなに固まるなよ?」
「でも・・・」
「ごめんな?ほら、良い子、良い子。」
再び浮上した瑞希お兄ちゃんの利き手が、頭をなでる。
「凛、もっと体を、俺の方へもたれていいんだぞ。」
「なっ!?それはさすがに出来ませんよ!」
「別に遠慮すんなって!凛は、俺の弟だし。」
甘いささやき(?)に思考がついて行かない。
ただでさえ、のぼせそうな状態なのにこれ以上は耐えられない。
「凛、こっちにもたれろ。倒れろって。」
「わっ!?ちょ、わかりましたから、無理やり引っ張らないで!」
強引に、もたれかけさせようとしたので、自主的に寄り掛かった。
自分で意識して体を預けないと、触られたら困る場所が触れ合ってしまう。


