彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「ごめんなさい、瑞希お兄ちゃん・・・僕・・・・」

「凛は悪くねぇよ。今度は、予告してから風呂に入るからさ。」

「よ!?ええ!?入るんですか!?」

「保護してやらねぇーとな?」

「うっ・・・」




ズルい。



(そんな天使のような微笑みをされたら、断れない・・・・!!)



〔★凛は誘惑と戦っている★〕



「まぁ、ゆっくり温もろうぜ~」

「は・・・はい・・・・!」

(実際は、沸騰しそうだけどね・・・・!)



リラックスしながら言う瑞希お兄ちゃんに、複雑な気持ちになる。

彼は利き手で数回、私の頭をなでると、その手を湯の中へと入れる。

反対の手は、浴室のふちへと置いていたのだが・・・・。



「お前、つるつるだな?体毛、薄いのか?」

「え?」



異変が起きたのは、瑞希お兄ちゃんの利き手がお湯の中に消えた時だった。






「凛の足、毛が全然ないな?」

「ひゃ!?」






そう言って、反対の手が私の足をなでている。





(えええ!?ボディタッチ!?)





びっくりして、黙り込めば、それに気づいた瑞希お兄ちゃんが手を離した。





「あ、わりぃわりぃ!俺もすね毛が薄く手さ~烈司達がからかってくるんだよ!」

「そ・・・そうなんですか・・・」




身を丸め、改めて、胸を隠すように固まる。



「悪かったよ、凛・・・いじわるしたつもりじゃないから、そんなに固まるなよ?」

「でも・・・」

「ごめんな?ほら、良い子、良い子。」



再び浮上した瑞希お兄ちゃんの利き手が、頭をなでる。





「凛、もっと体を、俺の方へもたれていいんだぞ。」

「なっ!?それはさすがに出来ませんよ!」

「別に遠慮すんなって!凛は、俺の弟だし。」





甘いささやき(?)に思考がついて行かない。

ただでさえ、のぼせそうな状態なのにこれ以上は耐えられない。




「凛、こっちにもたれろ。倒れろって。」

「わっ!?ちょ、わかりましたから、無理やり引っ張らないで!」




強引に、もたれかけさせようとしたので、自主的に寄り掛かった。

自分で意識して体を預けないと、触られたら困る場所が触れ合ってしまう。