(よくわからないけど、瑞希お兄ちゃんは、私が『男』として貧弱な体を見られたくないと誤解したようね・・・)
それならば、そういう方向で誤魔化そう。
「だって・・・・僕、小さい身体で恥ずかしいから・・・」
「!?・・・やっぱり、そうだったか。」
「はい・・・・」
「俺も・・・デカい方じゃないから、その気持ちわかるぜ?はがゆいよな~」
良い子良い子と頭をなでられ、誤魔化せそうな雰囲気になる。
(これは使える!)
だから、仕上げの意味も込めて泣き落としをした。
「僕、僕、こんな見た目だから・・・・体を見て笑われるのは嫌だから・・・!瑞希お兄ちゃんにまで嫌われるのは嫌で・・・!」
「ばか!俺がそれぐれーで凛を嫌になるか?これからはピーナッツやキャベツをたくさん出してやるから泣くな!4代目総長だろう?」
「ご、ごめんなさい・・・グズ・・・」
(ピーナッツとキャベツが利くのね・・・・)
さりげない、背がのびる食育情報を聞きながらうなずく。
「優しいんですね、瑞希お兄ちゃん?」
「凛だから特別なんだぞ?」
「・・・・嬉しいです。ありがとうございます・・・・」
「よしよし、もう泣き止んだな?男が軽々しく泣くなよ?」
「はい!」
笑顔で彼を見ながら、うなずく。
それで瑞希お兄ちゃんも同じ顔をしてくれた。
「まったく・・・一緒に風呂入るのも一苦労だな?」
「あ、ごめんなさい、僕・・・」
「謝るなって。いつまで隅(すみ)にいるんだよ?こっち来い!」
「え!?」
ザッバン!
水音に合わせ、腕をグイッと引っ張られる。
とっさに、掴まれてない方の手で胸を押える。
その間に体が浮いて、反転して―――――――――――
(あ・・・・・・・・・れぇえええええええええ!?)
浴槽の底とは違う、やわらかい場所とお尻が接触する。
「ホント、お前はお子ちゃまだな?」
「み・・・・!!?」
そう語る瑞希お兄ちゃんの膝の上に私はいた。
「ぎゃおおおおおおお!!!?」
(み、瑞希お兄ちゃんの上に座ってる!?)
背中に、瑞希お兄ちゃんの胸板があたってるんですけど!?
「うわぁ!?うるせぇな!!?なんなんだ!?」
パニックで叫ぶ。
耳元で叫んだこともあり、彼は耳を押えながら私に苦情を言う。
「オメー、さっきから叫び過ぎだぞ!?いいかげん、伊織から苦情が来るだろうが!?」
「だだだだ、だって!イス!お尻が!お膝に!!」
瑞希お兄ちゃんに言いたいことが伝わらない。
日本語にならなくて、伝えられない。
〔★瑞希は怒っている、凛は混乱している★〕


