彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



「凛、頭からびしょぬれじゃねぇか~!?」

「瑞希お兄ちゃんだって、良い男になってますよー?」

「水もしたたるいい男ってか?つーか、これお湯だろう?」

「そーでした!」

「あっはっはっはっ!」

「えへへへ!」



浴室に響く笑い声。

それが収まった頃、瑞希お兄ちゃんが言った。



「はぁ~あ!凛のおかげで、童心(どうしん)に帰れたってかー?」

「僕もです。」

「お前、子供じゃんか?」

「そこまで子供じゃないです!」



そう言ったら、ほっぺに何かがふれた。




「あ・・・」

「子供だろう?ずぶぬれじゃんか?」




ニコニコしながら、彼が私の顔をタオルで拭いていた。




「凛のおかげで、俺、頭洗わなくていいなぁ~」

「だ、だめですよ!シャンプーつけて下さい・・・!」

「あははは!冗談だって。」



そう言いながら、私の顔をふいてくれていたタオルで、引き続き、私の頭をふき始める。



「ぼ、僕も、瑞希お兄ちゃんをタオルでふき・・・」

「気にすんな。それに凛のタオルは、ぐっしょりだろう?」

「あ、そうでした!余計濡れるところでしたね・・・すみません。」

「いちいち、細かいことで気にするなよー?ホント凛は、何でも武器に変えるからなぁ~?浸水免れたのは、洗面台に避難させた俺の腰のタオルぐれーだったし。」

「そ、そうでしたね!瑞希お兄ちゃんの・・・・え?」






腰のタオル?

あれ、それって・・・





「さっき・・・・お湯の掛け合いをする前に、僕の頭に乗せたものですよね?」

(瑞希お兄ちゃんのデリケートゾーンを隠してたタオルってことだよね?)



「そうだけど?」







そういいながら、そのタオルで私の顔をふき続ける瑞希お兄ちゃん。



ということは、これすなわち――――――――――――






(関節接触!?)




「ぎゃあああああああ!!それも、だめぇぇぇ!!」


バシャ、バシャ、バシャ、バシャ!!





「わっ!?またかよっ!?なんだなんだ!?」




恥ずかしくて、お湯の中を後ろ歩きで逃げる。





「待てよ、凛!どうしたっていうんだ!?」



ザバ、ザバ、ザバ、ザバ!




これに不思議そうな顔で瑞希お兄ちゃんも追いかけてきた。




「コラ!凛!」

「こ、来ないでください!」



そう言ってはみたけど。







「捕まえた!」

「ああ!?」







背中に壁があたると同時に、彼に手を掴まれた。

つかまる。






「凛。」




つかまった手の先で見たのは、険しい顔の好きな人。





(やばい・・・本当にお湯もしたたるいい男になってる・・・・)



〔★正しいことわざは、『水もしたたる』である★〕