「サーンキュー凛!ほら!」
バサッ!
「え?」
中腰だった彼がニヤリと笑う。
その笑顔が、突然見えなくなる。
真っ白な視界。
「ちょ、見えない!?なんですか!?」
顔についた『なにか』を掴む。
そこから洗剤と、瑞希お兄ちゃんの匂いがして・・・
「え?」
それで気づいた。
(まさか!?)
私の顔に張り付いてる布!
(これはもしかして――――――!?)
「瑞希お兄ちゃんの腰巻タオル!?」
「あっはっはっ!大当たり~!」
自分の手でどける前に、顔にかかったタオルが消える。
「あ・・・」
「凛、もう髪は洗ったんだな?ちゃんとふいとけよ~」
「~~~~~!?」
浴室のふちに、腰下ろしながら笑う彼。
前かがみで私のぞき込む姿。
瑞希お兄ちゃんの顔よりも、彼の下半身が私の顔に近かった。
「・・・・・!!!?」
言葉を失う。
保健体育の本で、断面図だけは見たことがあった。
まさかリアルで、生で、こんなに早く見ることになるとは思わなかった。
男子だけが股間に持つ男の印。
(そ、そそそそそそれを!!心の準備なしで見てしまったなんて!!)
私の中ではじける感情。
(初めての現物が、好きな人だなんてっ!!!!)
恥ずかしすぎて、コメントにならなーい!!
〔★リアクションに困る初体験だ★〕
予期せぬものを目の前に、体全体が熱くなる。
言葉にならなかったけど、声は出た。
「うっ・・・・・・・・・・わあああああああああああ!!!!」
「えっ!?り、凛!?」
悲鳴を上げれば、瑞希お兄ちゃんが目を丸くしながら私に迫る。
「なんだなんだ!?今度は、どうしたんだよ!?」
「あ、あ、あ・・・!」
デリケートゾーンを隠すことなく、詰め寄ってくる。
それで叫びながら動いた。
やっと動けましたとも。
「きゃあああああああああああああああああ!!」
「ええ!?だから凛、どう―――――――ぶはっ!?」
羞恥心でパニックとなり、彼に向かってお湯をかけた。
バッシャーン!!
「ぶあ!?」
「わー!わー!わー!わあああああ!」
バシャバシャバシャ!!
「おま、ちょ、お湯が口に~ゲホゲホ!」
連打でお湯をかける。
狙ったわけじゃないけど、瑞希お兄ちゃんの顔面へと命中した。
「お、お前!凛!!やりやがったなぁ~!?」
そう言いながら、彼が私に背中を向ける。
私がかけるお湯を防ぐための姿勢。
同時に、瑞希お兄ちゃんの下半身が湯船に沈む。
「よ、よかった・・・・!」
「なぁ~にが、よかっただぁ~?り~ん~?」
「へ・・・・?」
見えなくなったことに、ホッとしていれば意地の悪い声がした。


