「『よかった』って、なんの話だよ?つーか、どこ見てんだ?」
「え?」
タオルを見つめていたら言われた。
「俺のデリケートゾーン、見てねぇか?」
「っ!!!?」
細目で言われ、一気に顔が熱くなった。
「ぎゃあああああああ!?すみません、すみません!スケベで、すみません!そんなつもりはまったく~!」
「あははは!ジョーダンに決まってるだろう?な~に、あせってんだ~?」
そう言いながら、お湯の中に足を入れてくる瑞希お兄ちゃん。
しかし、そのままつかることなく、立ったまま浴槽の中を歩く。
「・・・入らないんですか?」
「入るけど、窓開けるのが先だろう?」
「え?」
「凛、閉め切ったまま入ってるじゃんか?熱中症になるぞ、お前?」
そう言いながら、浴室の上の方にある窓を開けた。
ガコン!
瑞希お兄ちゃんが引っ張れば、ステンレスの窓がカチャと開いた。
「ちゃんと喚起しろ、凛。車酔いの後だと、のぼせやすいんだぞ?」
「え?」
(わ、私のために開けてくれた・・・・?)
それで胸がキュンとする。
優しい彼を、改めて好きになる。
「ご、ごめんなさい。ありがとうございます・・・」
「わかればよし。」
軽く頭を下げてお詫びすれば、よしよしと頭をなでてくれた。
「ほら、そっち寄ってくれ。入れないから。」
「う、うん・・・・。」
(入っちゃうんだ・・・・・・・・)
こうなってしまっては、どんな抵抗をしても無駄。
嬉しいような恥ずかしいような、恐怖もある不思議な気分になる。
今の私がするべきことは、女の子とバレないようにやり過ごすこと・・・・!
だから、覚悟を決めて動いた。
バスタブじゃないけど、大きめで長い浴室。
瑞希お兄ちゃんが入りやすいように、縦方向へと背中向きに下がる。
出来たスペースを見て、瑞希お兄ちゃんが笑う。


