「よ、よかった・・・・!」
「よくない・・・!」
助かったと思って安心すれば、運転席の獅子島さんが言った。
「あの野郎・・・・狙って飛び出してきおって・・・!」
「し、獅子島さん!?」
「凛道が助手席にいるとわかって、凹ませる気で突進してきたか・・・!」
「あ、それで・・・僕の方へ・・・?」
「あれほど汚さんように日頃から気をつけていた車内が・・・!バーベキューソースとシェークの色塗りときてる・・・!」
「ああ!?本当だ!」
その言葉通り、座席やミラーが汚れていた。
私が食料を手放した時点、わかってはいた結果。
〔★ひどいありさまだった★〕
車の中は、掃除するのが大変だと思うほど汚れていた。
ひどい汚れではあったが―――――――――!
「でも獅子島さん!僕らはもっと、汚れてます!」
ミラーで確認すれば、服はもちろん、髪や顔にも食品がついていた。
「ひどすぎます!見て下さい!ほら、手もこんなにベタベタに~」
シェークやソースでよごれた両手を広げて、獅子島さんに見せる。
不快な気持ちをを共有しようと思って、話しかけたのだけれど―――――
「言わんでもわかっとるわ、馬鹿者め!」
「ひゃ!?ご、ごめんなさーい!」
怖い顔で怒られた。
〔★凛は共鳴(きょめい)に失敗した★〕
「おのれ、よくもやりおったな!?」
私に怒鳴った後で、それ以上に不機嫌な顔をする獅子島さん。
その視線の先、彼がニラむ方を見れば、
「あ!?さっきの飛び出してきた車!?」
私がいる助手席を狙って突っ込んできた黒い車がいた。
動きは止まっているが、エンジンはかかっていた。


