彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「見てないのか?」


いつもの獅子島さんらしい態度にホッとする。



「すみません、大事な物はとっておく癖がありまして・・・」

「お前、ひとりっ子だろう?」

「え!?な、なんで・・・!?」

「一人っ子に多いのだ。好きな物は最後に取っておく・・・という習性が。」



油断できない!

この人の観察力!



「おそらく中身は、瑞希は凛道に漢道(おとこみち)を学ばせるために教材だ。」

「教材ですか?」

「詳しくは知らんがな。瑞希の期待に応えるためにも、早く中身を確認しておけ!」

「わかりました!帰ったらすぐに、確認しますね!?」

「当然だ。先が思いやられる・・・・。」


(え?)




そうつぶやいた横顔が、口元が笑った気がした。

目をこすってもう一度見て見たけど、いつもの不愛想だった。



「どうした?眠いのか?」

「い、いいえ!なんでもないです・・・」



前を見たまま言う相手に、思わず視線をそらす。




(見間違いだったのかな・・・?笑ったように見えたけど・・・)



手にしたジュースをストローで、ちゅーと吸いながら反対側を見る。



「わぁ・・・・」



車の外は、きれいな夕焼けとなっていた。



「獅子島さん、外が綺麗ですね。」

「明日は晴れるな。」

「熱くなるのは嫌ですね~日焼け止めぬらなきゃ!」

「特に顔にぬれよ。」

「もちろんです!わぁ~車の台数も増えてますね~帰宅ラッシュかな~?」





ジュースを飲みながら、変わりゆく景色を見ながら考える。

家族と車で出かけたのは、いつだっただろう。

確か、小学6年生の時が、最後だったんじゃないかな?


それ以来、どこへも行っていない。




(瑞希お兄ちゃんとはお墓参りで出かけたけど、今度は二人きりで出かけたいな~また、カフェのリサーチというパターンで、二人き~♪・・・・ん?)



ふと、周りの車を見ていて気づく。





「獅子島さん。」

「トイレか?」

「いえ、それは大丈夫です。あの・・・」



気のせいかもしれないと思いながらも聞いた。




「2台後ろの車、ずっとついてきてる気がするんですけど?」




さっきも、その前も見た記憶のある黒い車。

これに獅子島さんは鼻をならしながら言った。




「今頃気づいたのか?」

「ずっと気づいてたんですか!?」



〔★気のせいではなかった★〕