彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



言われた内容と、話す彼の姿を見て、気づいてしまった。



(ああ・・・そうか、この人は・・・・)







「お前は、『おろか者の真似』はしなくていい。」






(自分を怒ってるんだ・・・)





誰の真似なのか。

ここまでの流れで想像が出来た。




(この人なりに・・・・・・私に、2代目達みたいになってほしくないって思っているのね・・・・?)




そう思えるような重みのある言葉。



(いら立っているいるのではなく、きっと自分を責めているんだ・・・)




確信はないけど、それだとつじつまがあう。

獅子島さんも瑞希お兄ちゃんと同じで、2代目達のことを後悔しているんだ。

それがわかったら、すごく切なくなった。






「凛道、返事は?」

「誓います。」





だから私も、獅子島さんの思いに真面目に答えた。




「絶対に・・・・獅子島さんにも、同じ思いをさせませんから・・・だから・・・・!」



だから。






「・・・・・そんな顔しないでください・・・・・・・!」





私の言葉に、彼が目だけでこちらを見る。

長くはなかったが、今までよりは長く見られた気がした。

数秒のことだったけど、ゆっくりと車が停止した。





「あ・・・信号。」

「赤で走れば、切符をきられるからな。」




ため息交じりに言うと、ハンドルから両手を離す。





「どんな顔か知らんが、運転中に人の体に障るな。」

「え?」





そう言われて気づく、私の手が獅子島さんの服をつまんでいた。

彼の脇腹の側を、ギュッと掴んでいた。





「小さい手だ。」





そう言われた時、ギアを触っていた獅子島さんの手が、私の手をにぎっていた。






「頼りなく見えて、頼もしいということか。」

「え・・・?」

「空腹だ。ドライイブスルーによるぞ。」





それは一瞬のことだった。

信号が変わる前に手を離される。




(この人・・・・・・・)



見つめる横顔を見て思う。






(そんなに怖くない・・・・・・・・・・?)





そう思った時、車がゆっくりと走り出す。

不思議な気分で、しばらく獅子島さんを見ていた。