メガネの先輩の運転で、ガクンと体がゆれる。
「わっ!?」
(しまったー!怒らせたー!?)
彼の動きに、後悔しながらおびえる。
(用せんばさみ!?ハードカバーの本!?それとも手でつねる!?どんなお仕置きされるの私~~~~~!?)
〔★すべて凛の視界にある★〕
「し、獅子島さん・・・!」
(タイミングを見て、素早く謝ろう!!)
そんな思いで、相手の様子をうかがったのだけど―――――――
「俺は判断を誤った。あいつから歩く自由を奪った。」
「獅子島さん・・・?」
何もしてこない。
「金で解決できることなら、糸目はつけんかった。医者次第で治るならと、世界中から名医を呼んだ。だが、あいつは両方ダメだった。」
「え?お金、足りなかったんですか・・・・?お医者様もー」
「両方足りたが、あいつの体の損傷が激しすぎた。再生できんのだ。」
「そんな・・・!」
「治療は本人のリハビリ次第。金の心配はしなくていいようにしているが、再びバイクに乗れるかどうかの保証はない。」
残酷な現実に、返す言葉がない。
「俺達の真似をして、残りの人生をダメにしたのだ。」
前を見たまま、吐き捨てるように言う獅子島さん。
その言い方はぶっきらぼうだけど、私を怒ろうとはしていない。
(何かが違う。)
怒ってるみたいだけど・・・・私じゃない・・・・?
(私を怒ってるんじゃ、ない?)
じゃあ、誰にイライラしてるの?
(腹を立てているの・・・?)
「凛道」
「は、はい!?」
考えこんでいた私に、獅子島さんが声をかける。
「お前のケンカを売らない精神は褒めてやる。その代わり。」
「そ、その代わり・・・?」
聞き返せば、横目にすごい目力で言われた。
「他人が出来るから自分もできると勘違いするな。努力で出来ることと、生まれ持ってできるものとは違う。おのれの力量を把握して戦え。自分の力を把握しておくことだ。」
(力量・・・)
「僕の・・・実力ということですか・・・?」
「それ以外あるか?だからと言って、簡単に勝負をあきらめるな。捨て石になるな。弱いなりにも、それに見合った戦い方をしろ。龍星軍は敵が多い。凛道・・・お前ははむかってくれば、容赦なくつぶせ。とどめを刺すことが、第二の被害者を出さないことだ・・・!!」
厳しい表情と、きつい口調による乱暴な言葉。
冷たい顔で言ってるけど、怖くなかった。


