血も涙もない怖いイメージしかなかったけど。
「獅子島さんって、優しいですね・・・」
言葉には気をつけていたはずなのに、やってしまったうっかり発言。
それで、獅子島さんが首ごと私を見ながら低く言う。
「それだとまるで、俺は優しくなかったみたいだな?」
目だけでジロッと睨まれる。
(あ!?し、しまった!)
焦ると同時に、弁護する。
「そ、そういう意味じゃないですよ。」
ちょっと怖かったけど、本当にそうじゃなかったので言った。
「今のは、優しいのを知りつつも、嬉しかったから言ったことです!獅子島さん、優しいけど(そうは思わないけど)、優しさを見せない人だって思ってたから・・・・。」
「優しさを見せない?」
「あ、あくまで、僕個人考えです!怒らないでください!」
「・・・。」
そう言ったら、なぜか黙ってしまった。
(・・・・・・・・気を悪くした?)
変なこと言っちゃったのかな?
それで怒られるのは嫌だな・・・。
(怒らせる=命にかかわるからね・・・)
そうなる前に、生命の危機が来る前に、私は謝った。
「あの・・・すみません、僕・・・・」
「昔、似た表現をした奴がいた。」
「え?」
謝りかけたら言われた。
前を見て運転しながら獅子島さんが言った。
「お前が言ったようなことを俺に言ってきた奴がいた。『優しさが見えないから見つけてやる』とな。」
「優しさを見つける・・・?」
「2代目副総長だった男だ。」
(二代目!?)
それで当てはまる相手は、1人だけ。
「・・・獅子島さんの後輩?」
「読書家だった。」
そう言うと、私へ向けていた顔を正面に向けながら話す。
「不良が読書というのもめずらしかった。病院でも読んでいるだろう。」
その言葉で思い出す。
2代目副総長がどうなったのかを。
「お見舞いに・・・・・・・行ってないんですか?」
「行けると思うか?」
その言葉に合わせ、アックセルをふむ獅子島さん。


